表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/18

第十五話 妹との再会、そして絶望

 第十五話 妹との再会、そして絶望


 (うわ。すごい綺麗な人だなぁ。モデルさんか?)

 裕也は今目の前にいる美少女に見て、ポカンとしてしまった。

「……あ、あの……。」

「えっ、あっ、す、すみません。」

「あの、近くの小学校にみんな避難しているので案内しますね。」

「あっ、はい。」

 裕也はその少女の手を取り立ち上がった。



 小学校に着くと、裕也の十一年の歳が離れた妹である高井瑠夏(たかいるか)が布を持って立っていた。

「瑠夏!」

「……お兄ちゃん。」

 裕也は瑠夏を見つけた瞬間、抱きしめた。

「大丈夫か?怪我とか無いか?」

「うん。」

 (何でだろう。瑠夏の目から光を感じない。)

 裕也は少し不安になる。

「あれ?そ、そうだ。母さんはどこにいるんだ?」

 そう瑠夏に聞くと瑠夏は話し始めた。

「あのね。お母さんとね。大きな牛さんから逃げてたんだけどね。」

 嫌な予感がした。そんなのあるわけないと信じたい。でも、どうしても頭の中で最悪の可能性が過ってくる。

「そしてね。牛さんが投げて来た大きな石にね。私ね。当たりそうになったんだ。」

 (嫌だ。そんなの嫌だ。)

「そしたらね。私のことを守ろうとしたお母さんの背中に大きな石が当たったんだ。」

 (嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。)

「そしてね、お母さん倒れちゃって、そのまま、牛さんに食べられちゃったんだ。」

 そう言いながら瑠夏は持っている布の中に入っていた物を見せて来た。

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

 裕也は頭を抱えて泣き叫ぶ。

 だってその布に入っていたのは……。

 人の、見覚えのある女性の人の右腕が入っていたのだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ