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見切り発車です。
ネームセンスないのでタイトル未定、良さげなのあったら提案いただきたいです。
「死にたいなあ・・・・・・。」
口に出た言葉に思わず苦笑する。わたしの最近の口癖だ。
ーーーーーろくな人生じゃない。
酒癖の悪い父親と夫に怯え自分を守ることに精一杯の母。もちろん経済的に余裕のない家庭だったし、父からの暴力は当たり前だった。そんな場所を抜け出したくて学生ローンを組んで大学を卒業しそこそこ大手の会社に内定ももらった。しかし労働環境や様々な要因が重なりうつになって退職すること半年。やっと出来た彼氏とも疎遠となり貯金を崩して生活していたが経済的に厳しくなってきた。
生きるのには金がいる。息をしているだけで金がかかるのだ。不眠に悩まされどうせ眠れないからと夜の仕事を始めたが、慣れない環境、好きでもない人との性的な接触は余計に精神的に病むことになった。
「ゆきちゃん、指名入ったよ。いつも来てくれる人だからよろしくね。」
「、わかりました!ありがとうございます。向かいますね。」
スタッフに声をかけられ急いで笑顔をつくる。
「ゆきです〜。また会えて嬉しいな!」
「ゆ、ゆきちゃん。この前言ったこと考えてくれた?」
少し小太りの男がベッドから立ち上がって近寄ってくる。この山田という男は毎回夜の仕事を辞めて彼女になってほしいと迫ってくる客だ。
「ん〜ごめんね・・・気持ちは嬉しいんだけどお仕事辞めると厳しいの。それとも山田さんがその分お金くれる?」
いつもこう言うと山田は諦めるが今回は違った。
「・・・ゆきちゃんはさ、いつもお金の話するよね。ぼくのこと、お、お金としか思ってないの?」
「、そんなことないよ!でも「いつもそうだぼくがこんなにおねがいしてるのにあいしてるのにゆきちゃんはどうしてぼくのものになってくれないの」
山田は私の言葉を遮るとポケットから包丁をとり出しこっちに向ける。
「や、山田さん、落ち着いて、お、落ち着いてお話しよう?」
あついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついあついいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
「これでゆきちゃんはもうずっとぼくのものだね、だいすきだよゆきちゃん」
歪な笑みを浮かべる山田が何度も包丁を振り上げる。
ーーーーーーあ、わたししぬのか
こんな奴に刺されて死ぬとかほんとにろくな人生じゃないな。