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テーマ詩集:ふたつ名

落伍者

作者: 歌川 詩季

 こういうタイトルは、だいたい一人称的な内容で描いてます(笑)

 手狭な足場をゆずれずに 蹴落としあいに敗けたなら

 崖からまっさかさまのバトルロワイヤル

 切り立った岩肌をつかむ爪まではがれちまった

 こうなりゃ 奈落にたたきつけられてやるのさ


 高望みさえしなければ (くら)く静かなこの場所は

 案外 居心地いいかもしれねぇな

 しのぎを削ってたどり着く頂上は

 さぞかしいい眺めだろうけど


 勝ち残りの連中に敬意を表したら

 落伍者がまたほざきやがると 嘲笑(あざわら)うのだろうが

 あんたらのおこぼれだけで

 食いつないでるわけじゃない


 はいずりまわる 一寸の蟲

 されど失わぬ 五分の魂



 手近な水場じゃ飽き足らず となりの泉をつけねらう

 そんなのまっぴらごめん まるでサバイバル

 そびえ立つ断崖を登る梯子(はしご)に亡者の群れが

 このさい 奈落にはまりこむのもやむなしか


 陽の光さえあきらめりゃ (くら)くみじめなこの場所も

 存外 悪くはないかもしれねぇな

 血で血を洗って染めあげたその赤は

 おれにはてんで似合わないから


 勝ち上がりの皆様に祝辞を述べたなら

 落伍者が何様のつもりと (とが)められるだろうが

 あんたらのお情けだけで

 生き永らえたわけじゃない


 (はね)むしられた 一寸の蟲

 されど輝ける 五分の魂

 描いてて悲しくなる気もしますが(苦笑)

 こんなの描くの、好きなんだから困ったものです。

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