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曙の月  作者: ぐち
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夜明け

夜が開ける頃、港に男が1人佇んでいた。

周りには人の気配はなく、その男、広瀬は1人でなかなか釣れない魚と奮闘していた。彼の横にはポリバケツとクーラーボックスが置いてあるが、魚が入っている気配はない。

少し彼について説明をするとすれば、流行り病の影響で職を失い、妻にも逃げられた彼は日々を生き抜く気力を無くし、失業手当を頼りに日々を無意味に送っている。

「はぁ…」

広瀬はようやく諦めたのか、帰る支度をし始めた。広瀬が向かったのは、1人で住むには少し広い我が家である。少し前までは扉を開ける度に聞こえたおかえりの声。今では人の気配すらしない。広瀬は玄関先に手荒く荷物を置き、高く積まれた食器類を横目に風呂場へ向かった。まだ少し残っている妻のシャンプーとボディソープを使って、体を洗った後、水を切り、少し生臭いバスタオルを片手に風呂を出た。

「今日はまだ行かなくていいか…」

彼はカレンダーでハローワークへの予定を確認しながら、雑に体を拭いていく。周りには彼の未来を指すかのように小さく暗い水溜まりが出来ていく。

ピンポーン…

その時、無機質なインターフォンの音が鳴った。

「何も頼んだ覚えは無いぞ…手違いか?面倒臭い」

彼は文句を言いながらも少し焦りながら服を着ていく。まだほのかに濡れている状態だが仕方がない。誰のものかも分からないものを置いていかれる方が不愉快だ。そんなことを考えながら広瀬は扉を開けた。

「はい、配達を頼んだ覚えはないんですが…」

彼は途中で言葉を切り、目の前に現れた2人の男の姿をまじまじと観察した。そこに立っていたのは配達員には見えない、少しくたびれた高そうなスーツに身を包んだ2人の男だった。2人は広瀬をしっかりと視線に捉えると、思いもよらない言葉をかけた。

「広瀬隆さんですね?あなたには広瀬由香、今は山田 由香、さんへの殺人の容疑がかけられています。署までご同行をお願いします。」

どうもぐちと言います。少し小説を書いてみたくなったので投稿する流れとなりました。今回は失業、離婚、と不幸が続く中、元妻の殺人容疑をかけられた男の話となる予定です。不定期での更新になってしまうとは思いますが、宜しくお願いします。

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