19/44
2条2丁目-3
[side-OKANO]
5月12日土曜日。
初めて乗る「地上線桜十字路行き」の電車で、地上世界にある桜十字路電停へ。
電車を降りると、ジャージ姿の女性が立っていた。
「おーっす、しょーやんかな?」
あ、どうも、しょーやんです。もしかして怜ちゃん?
「怜ちゃんです」
十二高1年、岡野翔。市大2年、石崎怜子。直接会うのは初めて。
初めてなんだが……。
こんなゲリラ豪雨の時じゃなくても良かったんじゃないか?
ニュースで見たことがある。
ゲリラ豪雨って言って、一時的にものすごい量の水が空から降ってくることがあるらしい。
ある程度待てば終わるらしいんだけど、どのくらい待てば良いんだろうか。
「とりあえず、ここでじっとしててもつまんないし、私の家でも行くか」
とりあえず走ろうぜって言うのかと思った。
「さすがにこの雨の中は走りたくないだろ」
怜ちゃんでも?
「怜ちゃんでも」
そっか。地上歴1年の怜ちゃんでも限界はあるんだ。




