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始まりはケーキより

よくあるラブコメです

「えへへ、お兄ちゃん喜んでくれるかな」

「そんなに心配しなくても兄さんなら何でもよろこんでくれるますよ」

「うーん。そうかなぁ?」


とある田舎町。その中では一番の商店街である可井商店街を2人の少女が歩いていた。日曜日なので結構人がいる。2人とも何かの材料が入ったスーパーの袋を持っている。


「そうですよ。だって兄さんは私達のこと大好きだから」

「そうだよね!お兄ちゃんだもんね!」

「ええ。その納得の仕方はどうかと思いますけど、頑張って美味しいケーキ作りましょう」

「うん!」


そんな会話をしながら2人は雑踏に消えていった。








「じゃあなゆうや」

「部活頑張れよ」

「ああ。ありがとう」


今日も授業が終わり、中学からずっと同じクラスの智洋と別れた。智洋はテニス部だから毎日練習三昧だ。

その点帰宅部の俺は楽なものだ。家には妹たちが待ってるし道草を食う気もない。

そんなことを考えながら、机の横に置いていた鞄をもってまだざわめきの残る教室を出た。





ガチャ


「あれ、開いてない。まだ帰ってきてないのか」


家に着きドアを開けようとしたが珍しく鍵がかかっていた。


「まぁ桜も梅も忙しい時もあるか」


そんな風に納得して、鞄から鍵を取り出しドアを開けた。


「うーん。でも珍しいな。俺より先に帰ってきてないの」


俺には2人妹がいる。長女の桜と次女の梅は2人とも俺とは別の名門女子校に通う高校1年、俺の1つ下だ。


「まぁでもその内帰ってくるか」


少し心配だが、鞄を2階にある自分の部屋に置いて楽な服装に着替えてリビングに行き妹たちを待つ。





「うーん。遅いな」


家に着いたのが大体5時くらい。もう今は7時になる。普通こんなに遅くなるのなら連絡があるものだがそれもない。


「今日はご飯当番は梅だけど俺が作るか」


俺たちは両親が海外で仕事をしているため年に数えるほどしか帰ってこない。そのため炊事洗濯は当番制だ。


約30分後パパッと料理を完成されたがまだ帰ってこない。


「さすがにちょっと心配になってきたな。ちょっと探しに行くか」


ずっと一緒に過ごしてきただけあって2人が行きそうな場所は大体分かる。





「うーん。ここにもいないか」


近所の公園、よく行くスーパー、ファミレスどこにもいなかった。


「あっ学校」


ふと思いついた行ってない所、学校を思い出した。


「今思えば一番可能性高いな」


幸いなことに家から学校まではそんなに遠くない。歩いて5分程だ。





「何度見ても凄い学校だな」


そこにそびえ立っていたのはまるでお城の様な学校だ。

別に女子校だからといって守衛も何もいないため普通に中に入れた。

それからどこに行くか迷ったが、職員室に向かうことにする。



「あのーすみません」


内心ビビりながら職員室の扉を開ける。


「はい?なんでしょう」


一番近くにいた40代くらいの女性おそらく教師が当たり前だが訝しげに聞いてきた。


「あの1ーAの池上桜と梅がまだ家に帰ってきてないんですけど…」


あまり何を言えば良いか考えてなかったためどもる。というか、今思えば学校に電話すれば良かったじゃん。


「ああ、もしかして桜ちゃんと梅ちゃんのお兄さん?」

「え、そうですけどどうして…?」

「いつも2人がお兄さんの話してるもの。それでこんな時間に2人を訪ねてくる高校生らしき男子なんてきたらお兄さんくらいなものでしょ?」

「たしかに…」


たしかにそうかもしれん。というかもしかして凄く無作法だったのでは。連絡もせずにいきなり訪ねるなんて。


「大丈夫よ。桜ちゃんも梅ちゃんと生徒指導室にいるから。ついてきて」


そう言って席を立ち、扉を開けて去って行く教師の背中を追う。

というか生徒指導室?なんかやらかしたのか?


しばらく豪華な廊下を歩き生徒指導室というプレートのかかった扉を開ける。

そこには5人の生徒と1人の教師がいた。その内2人は梅と桜であと3人は初めて見る。でもお嬢様学校らしからん見た目だ。ギャルギャルしいというかケバい。

あと真ん中にある机に『お兄ちゃん誕生日おめでとう!』という文字のかかれたおそらくチョコレートで作られたプレートの乗ったケーキがあった。

しかし落としたりしたのか今はかろうじてケーキと分かるくらいにぐちゃぐちゃになっている。

というか今日誕生日だった…
























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