アクマガイル
「私、何考えてんだろ」
つぶやいても誰も答えてはくれない。当たり前だ。みーんな死んでるから。
わたしが全部殺した。でも、わたしは、あくまでも人間だ。
「ばっちぃ」
どの死体も、まるで内側から爆発したかのように臓物を撒き散らしている。ヒトの形をしたものは何一つない。ここに何人いたかなんてもう誰も分かりはしないだろう。この機に乗らないわけにはいかない。わたしは、真っ白な服を着たまま闇夜に溶け込んでいった。
この世界は腐っている。と、誰かが言った。そのとおりだと言う人も、違うと言う人も、わからないと言う人もいた。
このとき確実なのは、初めに言った誰かが、この世界を嫌っているということだけだ。
ウソツキが、「自分は、ウソツキです」といった。
じゃあ、ウソツキは誰?
ウソツキが本当のことを言うときもある。この世界は本当に腐っているかもしれない。そんなことだれもしらない。
「なぁ、悪魔。変な奴らがとち狂った議論してるよ」
わたしは、悪魔に、否私に話し掛ける。
「そうだな。殺してしまえばいい?」
「こんな所でやったら面倒な事になるからやだ」
「つまらない」
私はぶすくれた顔で言った。
西暦20XX年
人類は繁栄と腐敗の最骨頂であった。文明がさらに発展したことで犯罪がさらに手をつけられなくなっていた。警察もワイロによって目を瞑る始末。世界に救いはない。同情の余地もない。
そんな時一人の少女は悪魔と契約した。代償は死。授かった力は、彼女を化物へと変えた。そんなお話。
「この世界を変える。それがわたしの望み。そして」
「それこそが我等の契約」
「共にこの世界に」
「我等の存在を知らしめよう」
「そのために人の軛を外れた」
「そのために人と契約した」
「さぁ、行こう」
「ああ、運命の坩堝へ」
「戦争のど真ん中に」
この時代。ひとつの伝説が広まった。
激戦地の中東に一人の少女が現われ、全ての者を殺しつくした。あまりにも凄惨なその場を見たものはほとんどが発狂したという。かろうじて正気を保った者は、こういい残した。
「あの戦場には、悪魔がいる」と。
世界は、浄化のための変革を迎える。恐ろしき力によって。悪魔の力によって。
「世界は、我々が変える。我等が力思い知るがいい」
世界は変わる。善し悪しに関わらず。彼女等によって。
なんとなく、プロットもなし、ノリで書いてました。
ほんとに。
「呪ワレ」も読んでいただけるとうれしいデス。