表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【スーパーショートシリーズ 2】線路はつづくよ

作者: angelique

――― 辞令 矢野陽一やのよういち 技術開発部勤務を命ずる


春になって、人事異動を言い渡された。

今いる営業部から、ずっとずっとやりたかった技術開発部への異動。

まさに栄転だ!

日頃の頑張りが認められた結果だった。

「そうだ!今度の休みは、娘と電車の旅をしよう!」

気分転換に僕は娘の未来みくと、電車で出掛けることにした。


日曜日。

「わ~~~い!でんしゃ、でんしゃ~~~!!」

5歳の娘、未来みくは、大はしゃぎ。

いつも出掛ける時は車だからなぁ。

たまには電車で出掛けるのもいいものだ。未来みくも、喜んでる。


「♪せ~~んろ~はつ~づく~~よ~~ ど~~こま~~で~~も~~♪」

幼稚園で覚えてきた歌を歌いながら、未来みくは、映りゆく景色に目をキラキラさせていた。


「終点~終点~~」

電車は終点の駅に到着した。すると、未来みく が、困った顔をした。

「でんしゃ、ここでおわり??」

「終わりだよ!降りるよー!」

電車を降りようとしたその時、未来みくが僕に謝った。


「パパ~、ごめんね!みく、うそついちゃった!!」

あれ?未来みくが、僕に謝ることなど何もしてないのにな…

「なんで、うそついちゃったの??」

僕は優しく みく に問いかけた。

「だってさ~、みくね、おうたで、せんろはつづくよどこまでもってうたったの。でも、せんろおわっちゃったから。もう1かい、おうた、うたいなおすね。」

みくの言う嘘がなんなのか、さっぱりわからなかった。

すかさず、みく は、もう一度歌い直した。


「♪せ~~んろ~はつ~づく~~よ~~ お~~わり~~ま~~で~~♪」


あまりにもシュールな未来みくの替え歌に、僕は苦笑いを浮かべるしかなかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ