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アリキングの場合

サボりグセがつき始めている作者がいたところで、世の中の動きはいつもと同じ。

作品が読まれないことに悲しさを感じる位なら速く書け、と自分に言い聞かせていたところで、やはり世の中の動きはいつもと同じ。

そんななにも変わらない世界の片隅で、今日もセコセコ悪事を働こうと考える者達がいた。

それは、“秘密結社アルトワークス(株)”の面々である。


「今日こそ決着をつけるぞ、アークマイン!」


アルトワークスの総統補佐である、アーマット様が叫ぶ。

今日もアーマット様の決め台詞が決まる。

もはや、定型文のような格好になってきているが、それはそれとしてだ。

珍しくバイクにまたがって先程颯爽と現れたのはアークマイン。

我々アルトワークスにとっての宿敵だ。

というか、免許持ってたのか。


「何でもいいけどさっさと終わらせよーぜ。俺はこれからツーリングに行くんだからよ。」

「むむ、そうなのか?それなら早いところ用件を済ませるとしよう。来い、アリキング!その力を示すのだ!」


アーマッド様がそう言うが、誰も反応しない。

アーマッド様の後方をキョロキョロと見回す。

あ、ふんぞり返って地べたに腰を下ろしている!

これではアーマッド様の面子が立たないじゃないか。

すかさずアリキングさんの側に近づく。


「アリキングさん、アーマッド様が呼んでますよ。」

「シュー、だからなんだ?」


そう言って悠然とした態度で懐からお茶のペットボトルを取り出すと、悠々とそれを飲み始める。

さすがにこの対応にはアーマッド様もお冠の様子だ。


「アリキング!何をしている!」

「シュー、王である余に何を偉そうに!」


どうにも気位が高いらしく、呼び捨てをするアーマッド様にアリキングさんは怒っていた。

そして、その矛先はこちらにも向いていた。


「シュー、戦闘員君、君もだ。何故余は”さん“づけでアーマッドは“様”づけなのだ!」

「いえ、決まり事のようなものですし。」

「シュー、そんなことで余が納得するとでも!」

「えーい!アリキング!いい加減にせよ!」


完全に頭にきたのか、アーマッド様が歩幅も大きくこちらにやって来て、アリキングさんの持つペットボトルを叩いて遠くに飛ばす。

これを契機とばかりにアリキングさんも立ちあがり、アーマッド様とにらみ合いを始めてしまう。

これにはたまらず、オロオロとしてしまう。

そんな様子を一部始終見せられていたアークマインが呆れたような声を出す。


「用がないならもう行くぞ。まったく昼日中から下らねぇ。」

「なっ、待てアークマイン!かくなる上はこの私が自ら勝負を申し込む!こんな役に立たない怪人なんぞ連れてくるのではなかった!」

「シュー、聞き捨てならないな。余が役にたたぬだと?」


アーマッド様の言葉にまた反応して、アリキングさんがアーマッド様の襟元をつかみ上げる。

それを手で払いのけるアーマッド様。


「一体なんだっていうんだ、貴様!」

「シュー、貴様こそ!」


取っ組み合いの喧嘩が始まってしまった。

アーマッド様とアリキングさんは双方とも一歩も引かず、殴りあいがどんどんエスカレートしていく。

とんだ醜態ではあるが、さすがに自分の戦闘能力では割り込んで止めることもままならない。

一縷の望みとばかりにアークマインを見ると目があった。

アークマインは、はぁとため息を一つついた。

つかつかと二人の元に向かうと、周りのまったく見えていない二人の頭を殴り飛ばす。

不意を突かれたということもあるかもしれないが、二人とも一撃で昏倒したらしく膝から崩れ落ちる。

距離が近かったせいか、抱き合うようにしてその場に倒れこんだ。

そして踵を返すと、俺の肩をポンポンと軽く叩く。


「やっぱり転職を進めるよ。」

「今、それもいいかなと考え始めています。」


颯爽とバイクでその場を立ち去るアークマイン。

それに深く頭を下げた。

アリキング

アルトワークス屈指の実力者ではあるが、気位も高い。

最大の武器は口から放つ溶解液。



ブックマークや評価を頂けると、物凄くモチベーションが上がります。

また、様々な感想を頂けるとありがたいです。

今後ともお付きあいのほど、よろしくお願いします。

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