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『なぁ。お前は何埋めるんだよ? 』



『……え? 僕……? い、いいよ、そんなの……。』



『ダーメッ! 折角のタイムカプセルなんだからちゃんと○○くんも埋めないと! 』



『……な、なら、これを……。』



『……なんだこりゃ? おいおい……マジでこんなの埋めるのかよ。』



『……うん。僕の大切な……宝物、だから。』



『……あはは。まあ、宝物だって思う事なんて、人それぞれだしね。』



『……まぁ、いっか! 』



『……よしっ。じゃああとはボク達三人の写真を入れて埋めちゃおっか! 』



『だね。……でも、これを掘り返す時は、君達は……大人になってるんだよね……。』



『……どうしたの? ○○くん。』



『……ううん。何でも無い。……でも、僕らが大人になった時に……まだ僕ら、友達なのかなぁって……思って。』



『なーに変な事言ってんのよ! 』



『そうだぞ! 俺たちはずーっと友達だぞ! 』



『……そっか。 そうだよね。 』



『じゃあ約束! ……みんな、覚えてるよな? 』



『……ちゃんと覚えてるよ。十年後……ボク達が20歳になった夏に、これを掘り返す……でしょ? 』



『そうそう! よし ○○、リン、ちゃんと覚えとけよ? 』



『……うん。ちゃんと覚えてる。そして……リンとフブキの事を待ってるから』



──────────



──……ボクが故郷で過ごした最後の夏、ボクらは裏山にタイムカプセルを埋めた。……そして、10年後に再会しよう、と言う約束を友達と交わした。



── ……月日は流れた。しかし……ボクは未だにあの日の事を鮮明に覚えている……が。



あの日一緒にタイムカプセルを埋めた○○……その顔と名前は、まるでそこだけ白いペンキで塗りつぶされてしまったかのように空白で……思い出す事が、出来ない。



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