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Run away! 2

同級生。

作者: 貴幸


学校帰りに本屋に行く癖が最近ある。

もうすぐ好きな漫画の新巻が発売するのもあるが。



「今日もなかったな…」



漫画は誰よりも先にフラゲして読みたい派ではある。

本屋をでて、見知っている人物がいた。



「あ。」



その声に気づき、振り向いた。



「あ。」



時人の彼女、雪だ。


その場に固まる。

名前をよびたい、よびたいけど雪ちゃんとよんでいいのかわからない。

雪ちゃんなんてよぶほど関わった事がないのが事実だ。

でも、苗字がわからない。

詰んでいる…。

いや、相手もわからない可能性が



「横田くん、だよね?」



普通に知ってたー!!!

やばい、わからない。

冷や汗が頬をつたう。

た、確か小野木坂みたいな名前だったような…



「長野うe「坂道です。」



「あ、そうそう、坂道さん…。」



しくじった。

次から間違わなければ大丈夫なはず…!



「坂野上「だから坂道ってんだろ」



あぁ、俺は今足が震えている気がする。



「雪でいいよ…同級生だし。」



「雪…さん…」



さんづけしてしまった。


そして無言。


やばい、何を話して良いのかわからない。



「ユウトくんって学校じゃあわないけどもしかして六組あたりとか?」



雪が気をつかってか話しかけてくれる。



「あ、うん、七組。」



「そっかぁ…」



秘儀、そっかぁ

会話が終わってしまう単語

その他 わかる、だよねぇ〜、あ、うん。など(個人差あり相手の返しにもよる。)



「雪…は時人と最近どうなの?」



「え!?」



思いっきりでかいこえで言われる。

学校帰りの小学生がこっちを振り向いた。

何もないからとっとと行きなさい。



「いや…時人誤魔化そうとしてるだけで付き合ってるでしょ、どうせ」



「本当に付き合ってないから!」



おお、会話がはずむ。

何故か時人に感謝した。



「あんなにベタベタしてるのに?」



この前は腕組みしていた。



「ただの友達だから!」



「アレは誤魔化せないってさすがに」



「友達だってんだろ!!」



「すみません!!!(?)」



女子こえぇ



「ご、ごめん、ちょっと気がたっちゃった」



「いや、俺も悪いと思ってますし…」



そして自然とでる敬語。

そして無言。


なんだ、俺が悪いのか!?俺が会話をしなければいけないのか!?

そして何故こんなとこで止まってるんだ!?



「今日は時人、いないんだな。」



「うん。別に毎日帰ってるわけじゃない。」



「彼氏なのに!?」



「彼氏じゃない!」



そうか、恋人は毎日帰るわけではないのか…

俺はカナの機嫌によって決まるし付き合ってないしふられたけど。



「ユウト、暇だし帰ろうよ」



「あ、うん。」



なんとなく歩き始める。

いいのかな、こんなとこ時人に見られたら怒るんじゃないかな。



「いいの、俺と帰って。」



「ユウトって変なとこ気使うんだね。」



「…ダメかな。」



「んー、なんかめんどくさい。」



はっきり言われた。

相手の事気をつかうのはダメなのか?



「でもユウトかっこいいから大丈夫だよ、良い人できるって。」



え、かっこいい?

少し照れる。

もしかしたら女の人にかっこいいって言われたのは初めてだったかもしれない。



「そ、そう?」



「キモい。」



「ひどい」



だんだん雪と話す事に慣れてきた。

多分。

俺は足を止めた。

雪も足をとめ、こっちを見た。

この際だ、聞いておくのも良いかもしれない。

そうゆう事を話すのは、多分雪にだ。



「あの、さ…カナ、俺の事、なんていってる?」



「恋愛対象ではないと思うよ。」



そんなのはわかりきってる。



「そうじゃなくて、邪魔とか、嫌いとか、気持ち悪いとか…」



カナは俺といる時、常に笑顔だ。

その笑顔が、少し怖い。


裏に何か、気持ちを隠していそうで。



「ないよ。」



雪はまっすぐ、こっちを見た。



「でも…」



「ない。」



「だから言ってるじゃん、ユウトは気を使いすぎ。それにそうゆう事は本人にききなよ。」



そういい終えるとニッと歯を出して、笑ってみせた。



「ありがと、雪。」



俺も笑ってみせた。




「ユウト、今度マック行こうね!」



「マック派かよ!」











今日は天気だ。

学校から帰ろうとするとカナがきた。



「ユウト、一緒に帰ろ!」



「あ、うん。」



相変わらず、ハルトがいないから俺はカナと帰れる。


ハルトがいれば、一緒に帰れない。


俺は少し気持ちを整えカナに聞いた。



「カナ、カナは俺がいて迷惑じゃないの?」



「なんで?」



「えっ?」



予想外の答えに頭が真っ白になる。

本当になんで?と言う顔をしている。



「いや、だからさ、こんな二人で帰ったりとかしないで友達と帰ればいいだろ」



「ユウト私の事嫌いなの?」



「な訳ないだろ!」



「良かった」



カナは本当に嬉しそうな顔をした。

あぁ、大好きだ。



「じゃなくて!」



危なく終わるところだった。



「迷惑なわけないじゃん、そんな事言わないで。」



そう言ってカナは俺のブレザーの袖をつかみ少しさみしそうな顔をした。



「うん、ごめん。」



「えへへ、今日は肉まん買って帰ろっか!」



「そうだな。」



少し寒くなり始めた秋。

自然とつかみあった手はあったかくて、君にとってこれは無意識でしかないんだろうなとか思ったりした。




「まあ、いいか。」


ユウトは時人と雪は付き合ってるって確信してます、付き合ってません(自分に言い聞かせる)

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