彦星を止めて!
十月九日
「川がなんぼのもんじゃい!」
彼はそう言って舟を取り出して川を渡り始めた。
彼はこの数ヶ月をこの為に費やしていたのだ。
私は考えて川に大きな壁を作った。
一月十三日
「どりゃー!」
彼は大量の鷲を連れて壁を飛んで乗り越えた。
彼はこの数ヶ月鷲を育てていたのだ。
私は壁の上に竜を待機させた。
何度も私の作り出した障害を乗り越えてくる彼の名はアルタイル、通称彦星。
彼の目指す人は私の作り出した障害の向こうにいるベガ、織姫である。
そして私はデネブ、天の川を作り出した者だ。
これは私と彦星、織姫の奮闘記である。
三月二十二日
彦星は友達であるケンタロスのケイローンを連れてきた。
ケイローンは持っていた弓矢で竜を退治した。
私は飛んでくる矢を掴める優秀な白鳥を数十匹竜の周りに待機させた。
私がここまでして彦星を止めるのは仕事をしないからではない。
五月三日
彦星はいるかを使い水に浸かりもろくなった部分を壊した。
彦星の突破を見た私は急いで連絡した。
「織姫よ、彦星が突破した」
「了解、ありがとう」
私は溜息をついた
「疲れた……」
七月七日 七夕
私は毎年のように障害を取り除いた。
織姫と彦星は仲むつまじく一日をすごした。
翌日の八日、私は織姫に連絡をした。
「織姫よ、どうだ?」
「ごめんなさいデネブさん、言えませんでした」
「そうか……」
私はまた溜息をついた。
八月二日
彦星が予想外の方法で障害をこえた。
七夕の日に彦星は抜け道を作っていたのだ。
私は織姫に急いで連絡をとるが間に合わない。
私は叫んだ
「彦星、行ってはだめだ!」
八月三日
彦星は虚ろな目で黙々と仕事をしている。
仕事をしてくれるのはいいがなんだか複雑だ。
昨日、彦星は織姫を見つけた瞬間膝から崩れ落ち、怒った。
理由を話そう。
私は随分前に織姫に頼まれた。
「デネブさん! アルタイルをこっちにこさせないでください」
「……なぜだ」
「私! ヘルクレスさんと付き合ってるんです!」
そんな感じで私は彦星を止めていたのだが……昨日彦星はヘルクレスとイチャイチャしている織姫を見つけて激怒した。
「ベガ! どういう事だ!」
それに対する織姫の返事は簡単だった。
「あんた、重いのよ」
今日、つまり七夕当日に思いつきとノリで
書いた息抜き小説です。
ちゃんと連載進めなあかんのにww
読んでくださってありがとです。




