闇に触れられ、光に口づけられ

仮説

これまで、その怪物は息もせずに微動だにしなかった。だが、天使が恐怖に凍り付いていると見なしたその考えを覆すかのように、それは静かに顔を上げ、天使の視線と交わった。たとえ天使が今の姿であっても、悪魔であろうとなかろうと、その生き物にははっきりと見えているようだった。

「もう終わりかね？」天使の猛攻にも全く動じない様子で、その痩身の男は穏やかに尋ねた。「それとも、私を殺すつもりかな、神の使いよ？」常人の血を引く者には、彼の声が持つ奇妙で古風な響きを出すことは不可能だった。彼の荒れ果てた外見は非常に年老いていることを示唆していたが、とうの昔に塵と化しているべき寿命を説明するには不十分だった。

彼の皮膚は、無慈悲な太陽に干されたかのように鋭い骨の上に張り詰め、衰弱しきっていた。その目は、人を惑わすような穏やかな青色をしており、眼窩の奥深くに落ち窪んでいたが、気の弱い者であれば恐怖で逃げ出すほどの鋭さでじっと見つめていた。骸骨のようで凍りついたかのような彼の手は、樫の杖の上に軽やかに置かれ、何の力も入っていないように見えた。

天使は一瞬ためらい、それから微笑んだ。本能的に一歩後ずさりかけたが、すぐに足を止めた。道理から言えばとうに死んでいるべき男を目の前にして、彼は嫌悪感よりもむしろ認知的不協和を覚えた。「幽霊でも見たかな、神の使いよ？」男は、死の苦悶の表情ともとれる顔で歯を剥き出しにして尋ねた。「まだ私を打ち倒すつもりではないのか？」

天使の声はもはや息遣いに過ぎず、彼は最初の獲物のことを忘れ、動揺していた。「お前は、一体何者なのだ？」もし天使に魂があるのなら、彼の内なる何かが、この生き物は忌まわしい存在であり、神々がとうの昔にその魂を奪っているべきなのに、こうして立って話しているべきではないと囁いていた。

男は長く息を吸い、まるで考えをまとめるかのように一呼吸置いてから口を開いた。そして杖を立てながら答えた。彼は言葉が心に染み渡る時間を与えるかのように、ゆっくりと話した。「私は、闇が全力で我が物にしようとして、失敗した者だ」と彼は呟いた。そして、もう一度にやりと笑った。

天使は混乱して見つめるばかりで、完全に平衡を失い、どうすべきか分からなかった。その言葉はほとんど意味をなさなかった。闇が彼を捕らえようとして失敗した？この男はそういう存在なのか？おそらくは神の祝福を受けた者、あるいは神々の僕か？天使は自らの知識に照らし合わせても、再びこの状況を理解することができなかった。

まるで天使の心の内の思考に答えるかのように、男はゆっくりと答えた。「否」そして続けた。「お前は呪われている」

彼の息遣いには、怒りを帯びた冷たい頷きが続いた。彼はその非難を何の疑問も挟まずに受け入れた。「その通りだ」と彼は言った。「だが、私がそれ以外の何かだとは言っていない。そのことは、これで明らかだと思うが…」彼は杖から片手を離し、ローブに包まれた痩せこけた自分の姿を指差した。まるで他に言うべきことは何もないとでもいうように、彼はその文を途中で切った。

依然としてこの出会いを理解できずに、天使は首を振った。拳を握りしめ、彼は要求した。「お前は何者なのだ？」疑念を抱きながらも、彼は再び戦う準備ができていた。「私は怪物を討伐するよう命じられた！お前はそうなのか？」

続く笑い声は、死神の笑い声のように聞こえた。それは、生きとし生けるものが決して発してはならない音だった。魂を凍てつかせるような響き。「悪魔だと？」男は心から面白がっているようだった。答える代わりに、彼は首を右に傾げた。「教えてほしいものだ、魔女の子よ。私は悪魔かね？」

彼女がそこにいるはずはなかった。天使が気づかぬうちに近づいていたのだから。「吸血鬼に近いだけの存在ですよ、先生！」彼女は天使にお辞儀をし、ぼろぼろの木綿のドレスの裾を翻して、興奮した様子で痩せた男に請け合った。「そして、あなたの本当の姿を見られて光栄ですわ！」彼女は言った。「自分が狂っていないと確認できて良かった。天使を見たような気がしたのですもの」

その“吸血鬼に近い存在”は、天使に向かってわずかに首を傾け、向き直った。面白がり続けたまま、彼は提案した。「彼女の目を信じることだ、神の使いよ。その目は、まだ彼女を裏切ったことがない」

天使は一瞬、その二人を見つめ、なぜ彼らがこれほど突然現れたのかを理解しようとした。理解しようとするのをやめたとき、彼は真の標的であるエリラが急速に逃げていくのに気づいた。

彼は自分自身に激怒し、顔をしかめ、追跡を続けようと向き直ったが、飛び立つ前に止められた。その“吸-血鬼に近い存在”が驚くべき速さで彼の翼を掴み、傷ついた肢体を折り曲げ、彼を地面に転げ落としたのだ。それは彼の不自由な翼ではなかった。

天使は衝撃と苦痛の中で転がりながら立ち上がり、その“吸血鬼に近い存在”に飛びかかったが、目の前にいたのは、まるで報復を待っているかのように静かに佇む痩せた姿だけだった。再び、天使の打撃はためらい、一瞬止まった。すでに耐え難い苦痛の中にあるように見えるこの生き物に、さらなる苦しみを与えるという考えに、彼の内で何かがねじれるのを感じた。

彼は再び苛立ちながら空を見上げたが、彼の翼は役に立たなかった。傷つき砕かれ、飛ぶには全く不向きな状態で、それは彼の後ろでねじれ、土を引きずっていた。

自らを守ることができず、彼は再び怒り、失望し、動揺しながら“吸血鬼に近い存在”の方を向いた。彼の神聖な使命は、悪魔、正確には彼が殺すよう命じられた一体だけを攻撃することを許しており、この存在は悪魔ではなかった。

彼は二人から離れ、首を振った。少女は、彼が彼女の友人に襲いかかるかもしれないことにも無関心な様子で、好奇心に満ちた観察的な眼差しでそこに待っていた。

天使が一瞬ためらったとき、“吸血鬼に近い存在”が言った。「気休めにしかならんかもしれんが、いずれにせよ、お前は彼女を捕まえられなかっただろう」そして続けた。「だが、本題に入るとしよう…」天使が焦れたように振り返ると、その生き物はにやりと笑っていた。「ある仮説を試す必要があったのだ」

仮説だと？天使は嫌悪感の波を感じたが、この生き物に対してそれ以上の感情を見出すことはできなかった――結局のところ、彼は人間だった。彼は街の方へ向き直り、静かに言った。「お前が何者であれ、お前の理解を超えた事柄に干渉していると知れ」彼はそう言うと、傷ついた翼をぐっと引き、折れた骨を元の位置にはめ込みながら、両翼を滑らかに体内に引き戻した。翼はいずれそこで癒えるだろう。

彼の背後で、“吸血鬼に近い存在”は頷いた。「もっともなことだ。だが、お前も知っておくべきことがある」

少年がその文を終えたが、天使が人間の姿に戻り、振り返った時には、二人とも消えていた。「我々は、お前が思っているよりもずっと長く、このゲームを続けているのだ…」

グラモールは、黙って隣を歩くアマラを無視していたが、いつものように彼女がそばにいることを心地よく感じていた。『それで、私たちは天使の真の姿を目撃したのですね』彼女はそれを表に出さないようにしていたが、彼の頭の中に響く声は震えていた。しかし、天使の前に立って心を動かされない者などいるだろうか。

しかし、グラモールはそれほど簡単には納得しなかった。『爪を変えて翼を加えれば、奴はエリラと何ら変わらん』彼は、アマラがかくも早く天使に感銘を受けたことに、かすかな苦々しさを感じた。『奴は神聖な使命でここにいる。そして、より重要なことだが、神々とて悪魔の君主どもと信頼性において変わりはない。我々が双方にとって使い捨ての駒であることを忘れるな』

アマラは、おそらくはその現実を恐れながらも、同意のため息をついた。「そして、彼らの勇者もまた同じ、ということですね」彼女は言った。「でも、いつもそうだとは限りませんわ」グラモールは答えないことにした。

彼はもはや、若い男としてこれらの同じ木々の間を歩いてはいなかった。彼の血管はその慰めを求めて痛み、彼の体は定命の者の血を求めて泣き叫んでいた。たとえ再び血を飲みたいと望んだとしても、彼の居場所が今や定まってしまったという事実は変えられなかった。彼が目にしてきた者たちの運命よりも、こちらのほうがまだましな運命だった。そのような渇望が、自分よりずっと強大な者たちに何をもたらしたかを、彼は見てきたのだから。

アマラもまた… 彼は、自分の内側で彼を苦しめる醜さを、彼女の才能ある目が見抜いているのではないかと考えた。彼女は決してそのような素振りを見せなかった。しかし、彼女は天使にあれほど簡単に感銘を受けていた。彼は、ほとんどの人間が想像することしかできないものを見る彼女を、光と影しか見ることのできない限られた視力で見つめた。彼女はためらうことなく彼の目を見つめ、微笑んだ。彼にははっきりと見えなかったが、彼はそれを確信していた。

「何をそんなに微笑んでいらっしゃるのですか、先生？」アマラは、まるで子供のような仕草でスカートの裾を翻しながら尋ねた。もっとも、そんな風に遊ぶほとんどの人間よりも彼女は年上だったが。おそらく彼女は、彼が限られた視力しか持たないことを知っていて、彼のためにそうしたのだろう。『天使に感銘を受けたのか？』彼は思った。『天界の影響をそれほど受けやすいわけではないと、言ってくれ』

『それほど心を動かされたわけではない』彼は自身の懐疑心に同意するように思ったが、今はもう消えてしまった先の微笑みの理由は説明しなかった。『エリラの母は、娘を守ってくれると私を信じてくれたのだ』彼は自分自身に囁いた。『これだけの年月が経てば、あの娘を手放したいという誘惑に駆られるかもしれんが、アストラのことを思えば、それはできん』

彼は、アマラが彼を見上げ、彼が誰にも言ったことのない言葉を期待しているのを確信していた。「まあ」彼女はついに声に出し、街の方を見返しながら言った。「もし彼女があの戦いから逃げていたとしたら、エリラはひどい状態でしょうね。悪魔が他の悪魔以上に嫌うものなんて、ご存知でしょう』彼女は肩をすくめ、その考えを途中で切り上げた。

二人きりになると、彼女の態度と声は変わり、普段通りのくつろいだものになった。彼がそれを知っていると感じて、彼女はにやりと笑った。グラモールには、何が彼女の気に入るのか分からなかった。

彼らの奇妙な親密さを一分ほど味わった後、彼女は思った。『では、エリラの様子を見てきますわ。半魔に試す機会は今までありませんでしたけれど、まだいくつか治療法を持っていますもの。でも、妖精や人間に効くのと同じように、彼女にも効くと思いませんこと？』グラモールは答える必要がなかったので、答えなかった。彼らが歩いている間、彼女の目はすでにおそらく薬草を探しており、心の中ではハーブを混ぜ合わせ、ポーションを作っている、彼女自身の世界に没頭していた。

だから、彼女がさよならも言わずに素早く夜の中に駆け去っていったときも、彼は腹を立てなかった。むしろ、彼は疲れた体を重々しく杖に預けた。彼はまだ同族の中では若かったが、疲労を常の伴侶とする老人のように感じていた。

彼は三度息をつき、彼女の名前を呼んでみたが返事はなく、そして魔女の子なしで進み続けた。彼女の輝くような存在がなくなったことで、彼の気分は沈んだ。半魔であるエリラのことを考え、彼は唇を引き結んだ。彼女が、遠い昔に知っていた女性、彼女の母親にどれほど似ているかを思いながら。

しかし、彼女は父親の目をしていた。