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私の仕事

「大丈夫、食べれる!食べれるから!」

「あーん」

「いやっ、だから・・・」

「・・・ったく。何やってんだお前らは。そんなのなぁ・・・」


 私とみなとの攻防に、神崎の呆れた声が割って入る。私にはそれが天から差し伸べられた救いの手のように感じられた。


 そうそう、神崎。ここはバシッと言ってやってくれ。


「そんなの、私が食べさせてやるよ」


 ・・・・・・・・・。


「は!?!?」


 想定外すぎる発言に私が驚愕して思わず身体からだをのけ反らせると、神崎は少し赤くなった頬を指できながら、やや気まずそうにこう言った。


「あ、あー・・・あー・・・わ、私だって・・・私だってこんなこと、本心からやりてぇわけじゃねぇんだぞ?ただ、その・・・わざわざ見舞いに来てやったわけだし・・・何かしらその、お前にしてやらねぇと、来た甲斐かいがねぇから仕方なくっつうか・・・とにかく、そういうわけだから・・・」


 神崎が自分に背を向けてしゃがんでいたみなとの正面に回り込んだ。そして、立ったままみなとに向かって手を突き出した。


「ほら、貸せ」


 みなとは手に持っているお椀をさっと神崎から遠ざけた。


「嫌です!これは部外者のあなたなんかじゃなくて、イツカちゃんの夫である私の仕事です」


 部外者、という言葉のあたりで、神崎の突き出されていない方の手が、ぴくりと少しだけ痙攣けいれんしたのを私は見た。


「・・・なーにが夫だよ。それだったら私だってこいつの担当編集だよ、パートナーだよ。だから私が食べさせてやる、貸せ」


 険悪な空気だったが、私はハラハラと成り行きを見守ることしかできないでいた。先日の喫茶店での神崎の発言から予想はしていたが、やはりこのふたりの仲は良好とは言いがたいらしい。どうしたものか。

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