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体調不良の正月

 1月1日、正午過ぎ。


 昨日に引き続き、私は風邪で寝込んでいた。


「うーん・・・」


 布団の中でもぞもぞと寝返りを打ち、うめく。5分前に使用した体温計の表示によれば、熱は未だ38度台だった。昨晩からずっと、下がる気配がほとんどない。おかげで正月早々、みなとには迷惑と心配をかけっぱなしだ。


「あー・・・頭痛い関節痛いノド痛い寒い鼻水止まんねぇ・・・」


 誰もいない空間に向かってひとりぶつぶつと愚痴りながら、枕元に常備してあるボックスティッシュに手を伸ばそうとした時。こんこん、と部屋の扉が控えめにノックされた。


「イツカちゃん、入ってもいい?」

「どうぞー」


 鼻声で承諾すると、湯気の立つおわんを持ったみなとが扉を開けて中へと入ってきた。


「いつも思ってたけど、ノックなんてしなくていいよ」

「ううん、だめだよ、夫婦だからってそういう礼儀みたいなのをいい加減にしちゃ。・・・イツカちゃんの好きな卵のスープ、作ったの。中にご飯を入れてお雑炊ぞうすいにしてみたけど、食べられそう?」


 私は上半身を起こしながら頷いた。


「食べる食べる、私がみなの作ったご飯食べないわけないじゃん」

「ふふ、ありがとう。それじゃあ・・・」


 ピンポーン。そこで来客を知らせるチャイムが家の中に鳴り響いた。


「・・・誰だろう?お客さんなんて珍しいよね。しかもお正月に・・・」


 みなとがお椀を床に置き、いぶかりながら立ち上がる。


「私、出てくるね」

「あ、ああうん・・・ごめんね」


 ぱたぱたと小走りで部屋から出ていくみなとの背中を見送ったあと、私も首を傾げる。本当に誰だろう?思い当たる節がなさすぎる。


 みなとが来客に対応してくれている間に悠々とメシ食い出すのもなんか悪いか、と思ってお椀には手を付けず忠犬のように帰りを待っていると、やがて玄関の方から客のものと思われる声が聞こえてきた。みなとと何かを話している。


 ・・・ん?この声って、もしかして・・・。

 一度番外編を挟んでしまったので分かりにくいことこの上ないと思いますが、イツカとみなとが大喧嘩したあの大晦日の次の日の出来事として今回の章を書き始めています。その認識で読み進めて頂ければ幸いです。混乱を招くような書き方ですみません、そしてここまで付いて来てくださり本当にありがとうございます。

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