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番外編『20年前と6年前』その18

「ねねね、イツカちゃん、私思いついちゃった。これからはさー、私、自分のお小遣いでも本とか買うから。買った本はみぃんな、イツカちゃんにあげる。お返しにっ」

「いやぁ、みなが自分のお金で買ったモノを私が奪うってのは流石に・・・。今まで通りみなちゃんの好きなキャラのグッズに使いなよ。本は私が買うからさ」

「だーめ!!私とイツカちゃんとで、物語をプレゼントし合うのー!!もう決めたのっ!!将来に向けて、今からザイサンをキョーユーする練習をしなくちゃっ」

「・・・?お、おう・・・」


 謎の気迫に負けてとりあえず曖昧に頷きはしたものの、何故みなとの口から今、そんな単語が出てくるのかはやはり理解することができない。思わず現実逃避的に顔を背けると、私のすぐ後ろにあった本棚が視界に映り込んだ。


 ・・・再び昔の自分のことを━・・・14年前のことを思い出した。あの日、私は実家の自分の部屋で、ちょうど今と同じように本棚を背にして向かい合っていた━・・・みなとではなく、まどかちゃんと。この子の生みの親と。


 不思議な気分だった。あの人には「あげらんない」と言っていた私が、14年経ってあの人の娘に当時とは真逆のことを言って、今こうして抱きつかれている。時の流れを感じながら次に思い出したのは、まどかちゃんが『あの人』を私に紹介してくれた日のこと。あの日の私は、ふたりと別れて自分の家に帰って、部屋で一人きりになるまで泣くのを我慢しただけ立派だったかもしれないけれど・・・何もかもに絶望してしまっていた。八つ当たりのように、いや八つ当たり以外の何ものでもなく『裏切られた』と感じてしまっていた。この先生きていても何もいいことは無いと本気で思い込んでいた。


 ・・・あの日の自分にさ、私は言ってやりたいんだ。お前の物語にはまだ、続きがあるんだよって。今お前がうずくまってる道の先で、まどかちゃんよりもっともっと大切な女の子が待ってるよって。


 私は本棚から視線を外し、再びみなとの頭を撫でた。そう、少なくとも好きな人に振られた程度のことで絶望してしまう必要はない。だって生きている限り、物語は残酷に、そして優しく続いていく。


 そして物語が続く限り・・・希望が絶望に転ずる可能性と同じだけ、絶望が希望に転ずる可能性も、ちゃんと残されているのだから。

 この作品を書き始めた時は、まさかみなとの母親の若かりし頃のエピソードなんてものをお披露目できるようなところまで書き進めていくことができるだなんて思っていませんでした。ブックマークとかいいねとか閲覧数の上昇とかがすごく励みになっていて、そのお陰で今まで書き続けることができました。ありがとうございます。継続力みたいなものをちょっとは身につけられてるといいなぁ・・・。


 ただその一方で文章力の方は、最初の頃と比べても大して変わっていないように見えるので実はちょっとヘコんでいたりします(笑)表現の幅みたいなのも特に広がってる気がしないし・・・。どっちかって言うと私の書き方とか考え方のクセみたいなのが段々浮き彫りになってきちゃってるぞ!なんか恥ずかしい!!


 あ、気を取り直して次章は今までで一番ラブコメっぽくなる予定です。多分・・・

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