番外編『20年前と6年前』その12
「う、うん・・・え?なんでそんな嬉しそうなの?」
思わずそう聞いてしまう。すると、みなとは私と同じように正座をし、へにゃりと頬を緩ませながらこう答えた。
「えへへぇー・・・あのねぇ、だってねぇ。心配してたようなことには全然、ならなかったから」
「心配・・・。・・・・・・・・・。・・・え、そ、そうなの?」
ひとりで読書したいということを言い辛そうにしていた理由について話しているのなら・・・多分、むしろ心配されていた通りの行動をしてしまった気がするんだけど、私。みなとの言葉に動揺して、焦って、取り乱して。みなとはまさに、私がそういうめんどくさいリアクションをすることを危惧していたはず・・・だよな?普通に考えて。
けれど、私のそんな想像と予想は裏切られた。みなとは私が思っているよりもずっと、個性的というかエキセントリックな女の子だった。
「うん。・・・あのねっ、私ねっ、心配だったの。私がひとりだけで冒険したいーって言っても、イツカちゃんが全然寂しがってくれなかったらどうしよう・・・って」
「え、そ、そっち?」
「・・・?そっちって、他に何があるの?」
きょとんとされてしまった。・・・こ、これは・・・どう解釈すればいいんだろう?私が取り乱したり落ち込んだりするところ見て喜ぶなんて、みなとの意地悪!と憤ればいいのか・・・。それとも、なんだよそんなに私に寂しがってほしかったのかよマジ愛されてるじゃん私ヤッター!!と有頂天になればいいのか・・・。
・・・・・・。まぁいいか!!深く考えずに後者にしとこう!!
「もー、みなは心配性だなー。あんなこと言われたら私、地球最後の日と同レベルで絶望するに決まってんじゃん」
「えへへぇ・・・」
みなとはほんのりと赤く染まった両頬を手で包み込んで目を細めた。嬉しそうだなおい・・・。
「ええと、それで・・・結局どうして、あんなこと言ったの?あ、いや、責めてるわけじゃないんだけど!!純粋に興味があると言うか、気になると言うか・・・」
先程の反省を生かして努めて冷静に、落ち着いて理由を尋ねる。




