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番外編『20年前と6年前』その3

「う、うん。それは確かにベタすぎるし、怪しすぎるからあえて堂々と置いておくことにしたんだけど・・・え?評価できるのそこだけ?」

「うん」

「・・・そ、そんなバカな。ほら、まどかちゃんもさっき、騙されてるカンジだったじゃん。教科書じゃんーって言ってたじゃん」

「いや、まあそう言ったけど、言いながら薄々こんなことだろうなーと思ってたというか」

「・・・う、うう・・・」


 私はがっくりと肩を落とし、ついでに猫背になった。けれどすぐに脳内で「いやいや」と自分自身に突っ込みを入れる。こんな風に全身を使って情けなさを表現している場合ではない。好きな人の前なんだから、悪あがきぐらいはしてみせよう。


 そう決心した私は、立ち上がって本棚の前へと向かった。


「じ、じゃあさ、まどかちゃん。これ見て。この参考書の・・・」

「参考書のカバーが被せてあるけど、中身はあんたの好きなマンガ本とか?」

「・・・・・・・・・」


 台詞を言い終わりさえしないうちに見破られ、絶句。本棚から参考書(のカバーを被せたマンガ本)を抜き取ろうとしていた手を止めて振り向くと、にやにやと笑いながら私の反応を待っているまどかちゃんと目が合った。いつの間にか私のすぐ後ろまで来ていたようだ。それを見て、頭の片隅で『かえって喜ばせるだけなんじゃないか』と危惧しつつも私は素直に怒る。


「もー、まどかちゃん!なんでさっきからそうイジワルすんの!」

「いやー、別にイジワルじゃないよ。すぐ分かっちゃったことを正直に言っただけ」


 やはりと言うかなんと言うか、まどかちゃんは私の大げさなリアクションを見て楽しそうに目を細めた。・・・くそう、完全にからかわれてる。


 でもダメだな、私。笑ってるまどかちゃんを見て、心のどこかで喜んじゃってる。からかわれても馬鹿にされても、本心から怒る気になんて全然なれない。・・・惚れた弱みってやつなんだろうなぁ、これ。

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