頑張る
「・・・イツカちゃん。私さ・・・今は本当に、心の底から、イツカちゃんが生きていてくれさえすれば他はどうでもいいんだって、ちゃんと思うことができてる。でも私は馬鹿な女で、それにどうしようもない女だから。きっと時間が経ったらいつかまた、不安になっちゃうんだと思う。・・・イツカちゃんの心はどこにあるんだろう、って」
みなとはそこで一瞬両目を閉じ、再び開いた。
「だから・・・だからこそ私、頑張る。私はイツカちゃんの夫なんだもん。イツカちゃんが世界で一番好きでいてくれてるのは私なんだって、信じられるように・・・頑張るから」
私はその決意表明に対し、迷うことなく言葉を返すことができた。
「うん。私も頑張るよ。私がみなとのこと世界で一番好きなんだって、信じてもらえるように」
そう言うと、みなとは少し頬を赤らめて目を逸らしながら「・・・ありがとう」と小さな声で呟いた。そして私と視線を合わせないまま、もう一度ゆっくりと口を動かす。
「あと・・・ね。さっきは、その、ちょっとびっくりはしたけど・・・嬉しかった。イツカちゃんが私に、本音で話してくれて・・・」
「あ、ああ・・・そう・・・?」
ばつの悪さやら恥ずかしさやらが復活して、私はしどろもどろになる。あの感情の爆発は、正直、忘れてほしいんだけど。
「うん。夫婦なんだもん。言いたいことは我慢せずに、ちゃんと言ってほしい。そうじゃなきゃ・・・寂しい、よ」
みなとはそう言って俯いた。
「・・・そっか。みながそうしてほしいんなら、えっと、できる範囲でだけど、それも頑張ってみるよ」




