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爆発

 そこで私は立ち上がり、しゃがんだ体勢のまま動けないでいるみなとを見下ろした。逆上してしまっている、と自分で分かってはいても止められなかった。


「そうだよ、確かに私はあの人のことが好きだったよ!一時期は本当に、病的なまでに恋焦がれてた!でもな、それはもう、とっくに・・・あの人がお前の父さんと結婚した時点で、終わった物語なんだよ!お前に愛されてるあの人に嫉妬して、悪役みてぇな暴挙に走っちまうくらいに!・・・大体、他の男になびいた女を一途に想い続けるなんて、そんな健気な真似私にできるわけねぇだろ!あの髪飾りが無くなったことに気が付いたお前がずっと泣きじゃくってても、知らないって言い続けた、言い通した、こんな私に!」


 みなとは涙に濡れ光った目で、ただ呆然と私を見上げていた。


「今日だってそうだ!お前は私が、想い人との逢瀬に胸ときめかせて帰ってきたとでも思ってんのか!ちがうよ、カネだ!カネの話してきたんだよなっさけねぇ!私はお前とふたりでこれから使ってく寝床の代金もまともに自分で払えねえって、そういう話をしてきたの!」


 頭の芯がやたら熱い。何故だか感情の爆発を全く抑え込めない。いつのまにか流れてきていた涙を乱暴に右手でぬぐい、私は再び唾を飛ばした。


「なんで、どうして・・・お前はそうやって、私のことを買いかぶるんだよ!!私は・・・本当の私は、自己嫌悪と嫉妬にまみれて地べた這いつくばって、そのことに必死で気付かねぇフリしながらただ生きてるってだけの女なのに!!なんで分かってくれねぇんだ!!私はお前が思うような、純粋で強い人間なんかじゃない!!お前が執着する価値のある人間じゃねぇんだ!!私、は・・・あ、あれ・・・」


 突然、涙でぼやけていた視界が激しくぐらついた。体から、主に両足から力が抜ける。へなへなとその場にうずくまった私を見て、みなとが叫ぶ声が耳鳴りと一緒に聞こえてきた。


「イツカちゃん!?」

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