杞憂?
私が首を傾げつつも肯定すると、まどかちゃんはほんの少しだけ顔を上げてこう言った。
「・・あんたが・・・あの子のことで・・・できるだけお金を・・・受け取りたくないっていうのは・・・分かるけど・・・・・・その無駄なこだわりを捨てて・・・経済的に・・・余裕ができれば・・・あんたの好きなあの子に・・・そのぶん・・・本とか・・・ゲームとか・・・買ってやれると・・・思わない・・・?」
「ああ・・・うん・・・それはまぁ、そういう考え方も、あるにはある・・・けど」
今のまどかちゃんの発言は、ひねくれた見方さえしなければ、私だけでなくみなとのことも思いやってくれているのだと解釈できる。しかし残念ながら私という人間の性根はひねくれているどころか腐り果てていた。
『あんたの好きなあの子』。まるでまどかちゃんは別段みなとのことを好きでもないと取れてしまうような言い方だ。・・・いや、流石に性格悪い私の考えすぎ、杞憂だと思いたくはある・・・のだが・・・いや、でもしかし・・・うーん・・・。
ふと思う。私はかつて、まどかちゃんから、「このままではあの子に手をあげてしまいそうだから」と言われてみなとを引き取ることになった。けれどだからと言って、この人は本当に一度もみなとに手をあげたことがないと言い切ってしまってもいいのだろうか?暴力はなかったと仮定したとしても、それに等しい言葉で虐げたことは?本当になかったのだろうか?まどかちゃんだけじゃない、みなとの父さんは?まどかちゃんが離婚を決意し、成立させるまでにはみなとを産んでから5年かかった。その5年の間、ふたりはみなとに対してどう接して━・・・。
「うわ・・・」




