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部屋代

「・・・みなとの・・・東京での部屋代・・・・・・私が払うって・・・当然だけど・・・言ったでしょ・・・・・・もうどこに住むか決まってるだろうし・・・・・・その話を・・・具体的にしようと思って・・・」

「あ、ああ・・・そのこと」


 解説しておこうと思う。


 みなとは当初、新天地での拠点として、『ここ、ゴキブリとかネズミとか何百匹住んでるんだろう』と思わず私が余計なお世話とも言える心配をしてしまうようなボロ・・・慎ましい外観のアパートに「ここならバイトで貯めたお金でなんとかなるから」と言って住もうとしていたのだ。で、当時はまだみなとが一人暮らしをするものと完全に思い込んでいたため見かねた私が「お金は私が出すから、お願いだからもっとちゃんとした場所で不自由なく暮らそうよ」と頼み込んで、それなりに綺麗で部屋数も多いマンションを選び直させた。


 普段は私の財布に頼ることを割と頑なに拒否するあの子が、あの時は結構素直に引いてくれたというか、すんなりと了承してくれたんだけど・・・今にして思えばあれは、自分の身の周りのことは自分で稼いだ金で全て解決するというこだわりを捨ててでも、『結婚』して東京でも一緒に暮らすことになる私をより生活水準の高い場所に住まわせようとしてくれていたということなのか。夫として私に申し訳ないとか思っていたのか。うーんあんまり考えたくない。


 で、まあとにかく一度はそういう形でまとまった話だったんだけど、後日そのことをまどかちゃんに伝えたら、「そのお金はこっちで持つから」って申し出てくれたんだな。私も正直、今住んでるマンションの1.5倍近くの家賃を自分の生活費と合わせて今後払い続けていくのは、ギリギリ不可能ではないけどかなりキツイなと思っていたので、情けなさは覚えつつも好意に甘えさせていただくことにしたのだ。だけど。


「そのことならさ、いいんだよ、もう。やっぱり私が払うよ。なんでかっつーとさ、実は私、結局みなとと一緒に東京行くことになったんだよ」

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