到達
☆
「イツカちゃん、イツカちゃん、起きて」
「んん・・・」
肩を揺さぶられ、目を覚ます。敷布団の上に突っ伏していた頭を持ち上げ、寝ぼけ眼で私を起こしてくれたみなとの顔を見ると、何故か得意そうな笑顔で「おはよう」と挨拶をされた。呂律の回らない舌でなんとか「・・・おひゃよう」と返すと、みなとはやはり自信満々といった顔のまま「見てて」と言ってテレビを指さした。言われるままそちらに視線を向ける。
すると画面の中の『みなと』が━・・・口笛を、吹いた。
「あ・・・」
一気に目が覚めた。画面の端から『みなと』の居る所へ向かって、真っ白なユニコーンが駆けてくる。『みなと』は自分のもとへ馳せ参じた相棒の頭をひと撫でしたのち、ひらりとその背中に跨った。
「・・・・・・!」
私は思わず起き上がり、布団の上に両手をついて身を乗り出した。みなとが一度コントローラーを床に置き、腰に両手を当ててでかい胸を張りながら「すごいだろっ!」と言った。私は何度も頷きながら、歓声を上げる。
「すごい!すごいよみなちゃん!本当にここまでたどり着いたんだね!」
私が拍手すると、みなとは再びコントローラーを手に取りながらにっこりと笑った。
「それだけじゃないよ。・・・私、今からイツカちゃんを、迎えに行くから」
みなとがそう宣言するのと同時に、ユニコーンに跨った『みなと』がフィールドを駆け出した。高速で画面の中の景色が流れていき、あっという間に目的地である「かえらずの森」にたどり着く。『みなと』はユニコーンに乗ったまま、その中へと入って行った。




