妄想恋愛
「もうさ、一時期、完全に私の脳内では自分とブルーローズちゃんが付き合ってることになってて!その妄想の中で生活してたみたいなとこあって・・・。私とブルーローズちゃんがイチャイチャバカップルする話を考えて、小説にしちゃったりとかもして・・・」
私は当時のことを思い返し、頬に手を当ててにやにやしながら話し続ける。
「それでね、それだけじゃないんだよ!ブルーローズちゃんとユニストフォーは私のオタク人生の始まりなの。ブルーローズちゃんを好きになったのがきっかけで、ユニストフォーの公式アンソロジーとか買い集め始めてさ、私。で、その中で面白いなって思う話描いてた漫画家さんのファンになって、その人のオリジナル作品読んでハマって、その作品が載ってる雑誌に掲載されてた他のマンガも好きになって・・・って感じで、どんどんずるずると沼に・・・みなちゃん?」
そこで気が付いた。みなとはさっきから完全にプレイの手を止め、テレビ画面に目を向けながらもどこかもっと別の場所を見ているかのような目つきで、つんと唇を尖らせている。
「私・・・ブルーローズちゃん、好きだったのに・・・。なんか、イツカちゃんの今の話聞いてたら・・・嫌いになっちゃいそう」
「え・・・え?なんで・・・」
みなとはこちらに顔を向けようとはせず、こう言った。
「だって。イツカちゃんが昔、恋してた人で・・・しかも、オタクの始まりだなんて。そんなの、私、嫉妬しちゃうもん」
・・・いやいやいやいや。
「あの、みなちゃん、待って。ちょっと落ち着いて。ゲームの中のキャラクターだよ?ブルーローズちゃんは。みなちゃんがやきもち焼かなきゃいけない理由なんて、どこにも無いって。恋してたっつっても、妄想恋愛だよ?」
私はそう言ってなだめようとしたのだが、みなとはむしろ頬を膨らませ、眉間に深くしわを刻んだ。




