ユニストフォー
「いやいやそんなことないよ!楽しいよ!超楽しい!私セブンも相当好きだし、それに、私よりみなが楽しんでくれることのほうが大事で、嬉しいから」
みなとは少しぎこちない動作で唇の端を上げ、「ありがとう」と言った。そして気を取り直すように少しだけ話題を変える。
「そう言えば今まで聞いたことなかった気がするけど、イツカちゃんはどうしてユニストフォーが一番好きなの?」
その問いかけに私は思わず愉快な気分になり、笑いながら横目でみなとの顔を見た。
「あ、それ聞いちゃう?実はさぁ、けっこうこっ恥ずかしいというか、痛々しいエピソードになるんだけど」
「・・・?」
客観的に見てなかなかの黒歴史なのだが、それを知られるのが恥ずかしいという気持ちよりも、話してみなとと一緒に笑い合いたいという思いのほうが勝る。流石の私も年を取って自意識過剰から脱却しつつあるということだろうか。良い傾向だ。
「ほら、ユニストフォーのさ、ヒロイン。ブルーローズちゃん!あの子めっちゃかわいいじゃん?」
「かわいいね。イツカちゃんほどではないけど」
「・・・・・・・・・」
・・・なんか、『結婚』してからこういう口説き文句みたいな冗談をさらっと言ってくるようになってしまったんだよな、この子。前はそんなこと無かったのに。
みなとの台詞の後半部分は聞こえなかったということにして、私は話を続けた。
「実はさぁ・・・私。初めてユニストフォーをプレイした時に、ブルーローズちゃんにガチ恋しちゃったんだよね」
コントローラーのボタンを押し込みかけていたみなとの親指が、ぴたりと止まった。




