表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/194

誤解

「・・・もういいから。私は大丈夫だから。・・・冬休みの宿題とか出てるでしょ?部屋に戻ってそれやったりしてなさい」

「・・・・・・・・・」


 滅多にない私の命令口調に、みなとは青ざめた顔で硬直した。そして数秒、黙り込んだ後に震える声で話し出す。


「・・・イツカちゃん・・・ごめん・・・私、自分勝手だったよね・・・」

「えっ?」


 驚いて起き上がりかけたところを再び神崎に押し戻された。仕方なく横になったままみなとの言葉の続きに耳を傾ける。


「私・・・イツカちゃんが熱出して、体調悪くて辛い思いしてる時に・・・神崎さんからイツカちゃんを取り返すことばっかり考えて、そっちにだけ必死になって・・・。風邪ひいたイツカちゃんのこと、本当の意味で気遣きづかってあげられなかった・・・。こんなの、私、居ても邪魔なだけだよね」

「い、いや・・・ちがう。そんな意味じゃ」


 慌てて声を掛けようとする。三度みたび起き上がる私を押し戻そうとする神崎の手を、乱暴に払いのける。けれどみなとは私に背を向け、部屋の出口に向かって歩き始めた。


「私・・・もう消えるから」


 最後にそう言い残し、みなとはふらふらとした足取りで部屋から出て行ってしまった。


「・・・・・・」


 みなとに向かって右手を伸ばしかけた間抜けな格好のまま、呆然とその背中を見送った私の横で、神崎がそれはもう楽しそうに笑った。


「さーて、邪魔者もやっと身の程をわきまえて居なくなったことだし。ちょっと冷蔵庫とか借りるぞ、氷とか色々必要になってくるから・・・ん?」


 立ち上がり、キッチンへと向かおうとした神崎の足が、こつん、と何かに触れる音がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ