魔王の呪い
その時,誰かが扉を叩いた。
「エース,ミカエルです。入ってもいいですか?」
エースは涙を拭いそれを承諾する。
「先程言った話の件なのですが…」
ミカエルは椅子に座り,話し出す。
「ガブリエルのあの症状,あれは呪いと呼ばれるもので『魔界』と呼ばれる場所で生み出されたものなんです」
「その呪いを生み出した者はサタンという魔界の王だと言われています」
ミカエルはそう言い,続ける。
「私たちでサタンを倒しに行きませんか…?そうすれば呪いは解かれるはずです」
ミカエルは立ち上がり,エースに魔界の王の討伐を提案する。
「本当か⁈場所もわかるのか?」
エースはミカエルに聞く。
「サタンの居場所はだいたいですが把握しています」
ミカエルは泣きながら言う。
「早く呪いを解かないと…ガブリエルは死んでしまいます…」
エースは涙を流すミカエルの手を握る。
「行こう。俺たちでサタンを倒そう」
エースは決意を示す。
夕食の時間,俺とミカエルはガブリエルとメアリーにそのことを話した。
「無理だ…サタンには勝てない」
ガブリエルは悲観的だった。
「でも…そうしないとお前の呪いは解けないんだぞ!」
エースはサタン討伐を推す。
「俺にかけられた呪いは…『不戦の鎖』だ。戦うことができない…」
ガブリエルは呪いの名称を答える。
『不戦の鎖』とは,戦闘体制に入ろうとするとあらゆる臓器が締め付けられ,
戦うことが出来なくなるというものだ。
「なら俺たちだけでも行く!俺たちはお前を助けたいんだ!」
エースは意思を曲げない。
「気持ちは嬉しい。でもあいつには勝てないんだ…」
ガブリエルはそう言う。
「俺たちなら勝てる!必ずお前の呪いを解いてみせる!」
エースはそう言う。
「ガブリエル,私たちなら大丈夫です。必ず勝ってみせます」
ミカエルもそう言う。
ガブリエルはしばらく考え込み,喋り出す。
「分かった…信じるよ,頼むから死なないでくれよ…」
翌日,俺とミカエルは魔界を目指す。
「それじゃあ行ってくる!」
エースはメアリーとガブリエルにそう言う。
「生きて帰ってくるんだぞ…2人とも」
ガブリエルはそう言う。
「もちろんですよ。必ずや呪いを解いてみせます」
ミカエルは自信満々に言う。
「しかしまさか果物を切るために包丁を握ることもできないなんてな」
エースはそう言う。
ガブリエルにかけられた呪いはそれほど強力だったのだ。
「あぁ,まさかこれほどとはな」
ガブリエルは少し笑いをこぼす。
「メアリー,ガブリエルの世話よろしくな」
エースはそう言う。
「えぇ…2人とも気を付けてね」
メアリーは心配そうに言う。
エースは笑顔で返事をし,ミカエルと共に石を握る。
その石とはエースが天界に来た時の石と同じような見た目をしたもので魔界に行くためのものである。
2人は黒い煙に包まれる。
次に2人が目を開けると,落下感覚に襲われる。
「こっこれは⁉︎どうなってんだ⁉︎」
エースは驚き,あたふたする。
「エース,羽を開いてください!」
ミカエルのその言葉で羽の存在を思い出す。
「慣れねぇなーこれは」
エースは羽を見ながらそう言う。
「まさか空に転送されるなんて,運がないですね…」
ミカエルがそう言う。
「とにかくサタンを探そう」
エースは辺りを見渡すがこれといったものは無い。
「確か,魔王城と呼ばれるものがあるはずです。とても大きくて目立つはず…」
その時,何かを裂いた音が響いた。
ミカエルが振り向くと,そこにはサタンがいた。
そしてエースの背中を裂いていた。
エースは地上に落下する。
立ち上がろうとするエースにサタンは剣を投げる。
その剣はエースの腹を貫通し,地面に刺さる。
「ぐぅ…!」
エースは地面に体が固定されてしまう。
「エース!」
一瞬の出来事にミカエルが戸惑っているとサタンが斬りかかってくる。
ギリギリで剣を抜き,攻撃を防ぐ。
その攻撃はとても重たいものだった。
お読みいただきありがとうございます(°▽°)
まだ途中ですが一回切らせていただきます!すみません!
すぐに次話投稿します〜