悪魔のやり方
新生天界政府にて、緊急の会議が始まった。
エース・レッカの逃亡。
あれから既に2日も経つのに未だに確保されていない。
ワールドエンドオーダーの鍵の1つでもある力を持つヘラクレスの離脱。
「このままでは、いつワールドエンドオーダーが実行されるか分からない」
男は腕を組んで考え込む様子でそう言う。
ワールドエンドオーダーの発動の条件として 予想されているのが、魂の終着点での全ての力の発動、神器が同じ場所にある。その2つが揃うことと予想されている。
しかし、魂の終着点にて多くの情報を手に入れたであろうエースは、なにか違う答えを知っているかもしれない。
この予測が出されたコンピューターには、解読不明、《神の領域》と呼ばれる文字列が1つ示された。
『kみaru. ......自覚)))))))ヒト』
このような怪文書が示されている。
これがワールドエンドオーダーの発動のもう1つの条件だと言われている。
エースがこれを知っているのだとしたら。
それを恐れた新生天界政府は、神器を全て人界政府の中央本部に保管し、力については、 謎の男に1つ。ヘラクレスに1つ預けられていた。
ーーーーその時、人界政府ーーーー
「先輩、この部屋に神器があるんすよね?」
「あぁ、これを守るのが俺達の使命だ」
頑丈に守られた1つの部屋。
人界政府中央本部の地下5回に設置された《神器保管部屋》、ここに回収された全ての神器が保管されている。
「ほんとに来るんすかね、エース・レッカ」
「さぁな、もし来るってんなら世界の全てを敵に回すことになる。そうなりゃ終わりだ」
「すよね……」
その時、上から物凄い爆発音が轟く。
男達は一瞬で悟った。
「エース・レッカ、奴が来た……」
地下5階までの全ての床を貫いてエースが部屋の前に現れる。男達はその場に崩れるが、すぐに銃を取る。
放たれた弾丸は、エースによって生み出された触手の壁によって防がれる。
「うっ……うわぁぁぁぁ! 悪魔……! 悪魔だ!」
そう叫ぶ男の首を、エースは、触手で吹き飛ばした。エースは、保管庫の扉に手を当てる。
直後、エースの手が、大爆発を起こし、保管庫の扉が空く。創造の力を活かして爆発を起こしたのだ。
吹き飛んだ右手を、ルクスの柱の力で再生させる。
そして並べられた神器を前にしたエースは、道の力を発動させる。
「……」
しかし、目の前に神器は存在しなかった。
答えが出た。
神器はワールドエンドオーダーの発動に必要なかったのだ。
「一回目の時は、その場に全部あったからな……」
エースは道の力を解き、現実に意識を戻す。
そして空が見える地下5階から飛び立ち、天界を目指す。




