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ANIMA  作者: パンナコッタ
変わりゆく世界と新たな正義との出会い
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正義の道

光の加速する世界で、エースはゼウスに腕を引っ張られていた。

エースは完全に放心状態で、もはや何も考えていなかった。


「あ……あぁ……」


エースは小さく何かを呟き続けるだけだった。ゼウスは黙ってその道を歩き続ける。


「ほら、次の記憶だ」


ゼウスはエースをほっぽり投げ、次の記憶を見るように言う。しかし、エースは目を瞑らなかった。


「もう……見たくない……」


エースは目をくっきりと開けた状態で涙を流しながらそう言う。


「俺は……お前らを悪魔だと罵ることで、自分の行いを正当化してきた……でも、でもこんなのって……」


「誰が悪魔か分かんないよ……」


エースは嘆く。

うずくまるエースの肩をゼウスががっしりと掴む。


「それでもお前は、進み続けなければならない。そうだろ? お前が求める未来の為に運命という道を。その道には、茨があるかもしれない。それでもお前はメアリーを救いたいだろ?」


「あぁ……メアリーを救いたい……それが俺の願いだ……」


エースはゼウスを見つめ、そう言う。


「なら、戦え。この世界の全てと。お前は自分を貫けばいい、たとえ誰を敵に回そうともだ」


「……あぁ、俺は……メアリーを救う。そのために戦う。ごめん、泣き言言って……」


エースはそう言い、立ち上がる。

そしてゆっくりと目を瞑った。


エースが目を開けると、そこはルイスの記憶で見た天界での最終戦争の場所だった。

そこには、多くの亡骸が転がっており、その中にゼウスらしき者がいた。


「みんな! 聞いてくれ! ここには俺たちしか残されていない。俺たちがここに新しい国を築くんだ!」


ゼウスは周りの者にそう声がけをした。

その声に賛同したものたちにより、新たな国がそこに築かれていった。


エースはその様子を、毎日の様に眺める生活を送った。その時は、ルイスとアナスタシアの血による差別がそこまで無かったように見えた。


ルイスが死に、アナスタシアは呪いにかかり姿をくらました。そこに残された各々の民は、力を合わせていた。


そして遂に国が完成し、天界政府が樹立した。その日、ゼウスは宮殿の自室でワインを飲んでいた。


「フゥ……やっと一段落着いたな」


そう腰を下ろすゼウスの背後から突如としてアナスタシアが現れた。


「お前がゼウスだな?」


ゼウスは飛び上がり、椅子の横に置いてあった剣を取る。


「天界政府樹立ご苦労であった。これを食べろ」


そう言い、アナスタシアはゼウスに謎の果実を差し出した。ゼウスは警戒し、これはなんだとアナスタシアに聞く。


「食えばわかる。タナトスに作ってもらったものだ」


そう言った。

ゼウスは警戒し、距離を取ろうとするも、アナスタシアはグイグイと近ずいてくる。


「今のあんたの支配の仕方は温すぎる。タナトスに作ってもらった天界禁忌法典もロクに使いやしない」


「あんたも俺たちの手駒として働け、ほら」


アナスタシアはそう言い、ゼウスの腹に謎の実を押し込んだ。腹を透け、実は体内に取り込まれていく。


「なっ……何を……!」


ゼウスは精神を侵され、洗脳されてしまった。


「いいか? 天界禁忌法典の厳守、これは絶対だ。それと俺を崇めろ。これもタナトスからの命令だ。ルイスの血の者を生かすな」


その言葉にゼウスは小さく頷いた。

エースは感情の呼応により、深いダメージを受けていたが、前までのようにうろたえることは無かった。


それからのゼウスは、人が変わったようにルイスの者を殺めるようになった。

しかし、時間が経つにつれ、ゼウスの差別意識は弱まっていった。

おそらく、謎の実(呪いを固めた何か)の効力が弱まったのだろう。


しかし、ウリエルの言葉によりその意識が再燃することになってしまった。


エースは宮殿の柱にもたれかかっていた。

そんなある日、突如として天界に女神が現れた。白い服に包まれた女神が数人の者に触れ、力を託した。


その力というのが、後の九魂神。

・ガイアの魔人

・アンゲルスの光

・ハエレティクスの氷

・ユースティティアの眼

・現在ではヘラクレスの持つ力

・現在ではエースが持ち、過去にゼウスが保有していた力


この6つを女神はこの世に託した。

そしてその女神は、


『この世に力は……9つ存在します。その力を集め、守りなさい』


そう言い残し、消えていった。

そしてそれから数日後に、天界にメアリーが現れた。

ルクスの柱を所持した状態で……


エースがそこまで記憶を見終わった時に、目の前にアナスタシアが現れた。


「次の記憶だ。行こう」


エースはアナスタシアの手を握った。

視界が真っ白になり、光が加速する世界へと飛ばされる。


 エースは、彼らのことを悪魔だと思っていました。残虐非道な行いをする悪魔だと。

 でも実際に彼らの記憶を見て、彼らの感情を知ることで彼らが悪魔ではないと知りました。


 逆を言えば自分は、彼らを悪魔だと罵ることにより、自身の行いを正当化していたのです。いくらエースにメアリーを救いたいという正義があっても、エースがしたことは殺人です。


 エースはそれを知り、1度精神が崩壊してしまいました。しかし、ゼウスの言葉により立ち直ったように見えます。しかしそれは決して元のエースに戻ったということではありません。1度転んだエースは、再び立ち上がり進み出したのです。


 エースはルイスの記憶を初めて見る時、酷く脅えていました。それはそこに、知らない正義があったからです。

 エースはその後、ルイスの記憶を受けいれ、瞳を青く染め、ルイスの正義を理解しました。


 なら今、彼らの正義を理解しだしたエースは、一体どうなるのか。

 ルイスの願い、楽園を創ったように彼らの願いを叶えるのだろうか。

 

 その過程には一体何が起こるのだろうか。

 少女の囁きか、それとも世界の終焉、

 ワールドエンドオーダーなのだろうか……


 エースは真っ直ぐな性格です。

 自分の信じた道を進み続けるのがエース・レッカです。

 彼がこれからどんな道を進み出すのか、どうか暖かく見守りください。


【物語解説】


 ルイスの力と、アナスタシアの力について。


 物語でよく出てくるルイスの力という表現、

 これはルイスの血を持つものにしか引き出せない力ということです。(アナスタシアの力も同様)


 しかし、ルイスの力をアナスタシアの血の者が引き出す方法もあります。


 例えば、ルイスの純血であるエースの持つ【ルクスの柱】をルイスとアナスタシアの混血の者に継承させます。


 物語でも語られているように、力の発動は血に依存します。

 つまりこの混血の者は、ルクスの柱を発動できます。


 なら、この力をアナスタシアの純血の者に継承したら?

 ルイスの純血の者が持つ力をルイスの力とするなら、この混血の者が持つ力は、ルイスとアナスタシアその両方の力ということになります。(ただし、力が発動できるのはこの場合ルイスの血が流れているから)

 

 なんと、アナスタシアの血という繋がりによってその力はアナスタシアの純血の者でも引き出すことができます。


 この方法によって、ルイスの力をアナスタシアの力にすることができます。

(その逆も可能)


 また、力と記憶はルイスの力であれば、ルイスの血が濃い方が力の発動を強めることができます。


 今のエースの体内には、ルイスの血とアナスタシアの血が両方存在します。

 しかし、それは混血になったという訳ではありません。


 ルイスの力とアナスタシアの力を半分しか引き出せない混血と違い、エースの今の状態は2つの純血が同時に体内に存在するということです。


 タナトスが差し出した実は、概念の塊です。

 つまりは、エースの体を人体構造上ではありえない、2つの純血を同時に保有できる体に書き換えたという訳です。


 物語の中で、呪いも概念の一種と語られていましたね。

 概念を視覚化した物が呪いというわけです。

 その呪いにも複数パターンがあり、継承型、永久型などがあります。


 継承型とは、例えばウリエルがガブリエルに放った呪いです。

 あれは作中では語られておりませんがサタンがタナトスから授かった呪いで(これは継承に含まれない)それを正式にサタンがウリエルに継承したことにより、あの呪いをウリエルが使えるようになりました。


 そのためウリエルを殺しても呪いは解けず、継承元のサタンを殺さなければ、呪いは解けなかったということです。

 その事も相まって、情報統制がされていた天界では、呪いはサタンが創り出した物だと考えられておりました。


 次に永久型です。

 これは、タナトスがメアリーに放った呪いのことです。あの呪いは、タナトスが創り出した物なのにタナトスが死亡しても消えません。

 あの呪いを消すには、概念破壊の力を使うしかありません。

 


 ここまでお読みいただきありがとうございました。




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