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ANIMA  作者: パンナコッタ
変わりゆく世界と新たな正義との出会い
43/71

あの日

「随分と抱え込んでるな」


 声がした、エースはゆっくりと上を向く。

 目の前にいるのは……どこかで見たことのある男だった。

 しかし今のエースには、何かを考えることすら出来なかった。


「誰だっけ……あんた」


 エースはうっすらと開いた目でその男を見つめる。

 

 「忘れたのか……? 道の声……って言えばわかるか?」


 男はそう言った。

 道の声……?

 あぁ、あれか……


「何で……現実世界にいるんだ……?」


 俺の問いに男は、後で教えようと言った。

 後で……か、俺はもう何もする気がないよ……

 メアリーが死に、俺には守るものが無くなった。

 もう、生きる理由は何も……


「一つ言えることは、メアリーは生きている」


 男は少し溜め込んでそう言った。

 俺の意識が固まる。

 どういうことだ……?

 俺の心の問いに気づいたかの様に男は喋り出す。


「メアリーは呪いにかけられたんだ、死んではいない」


 本当か……?

 信じていいのか……



 いや、そんなことないだろ……生きてるなんて……そんな……

 


 目から涙が溢れていた。

 なんで……

 喜んでるのか……

 メアリーが生きてるから……

 俺は……


「簡単に説明すると俺は未来のお前の記憶を持っている」


 どういう……?

 未来の記憶……?


「お前はタナトスを倒す、これが俺が見た未来だ」


 男はそう言った。

 俺はそっと立ち上がり、男に詰め寄る。


「ふざけんなよ、何が未来だよ……あんなやつ、勝てねぇよ……」


 エースは泣きながら男の胸ぐらを掴む。


「いいや、お前は勝つ」


 男は確信した様子でそう言い、俺の手をはらう。

 

「どうやって、勝つってんだよ……」


 俺の問いに、男は少し溜めた後に口を開く。


「後で、全てを語ろうと思うがな……お前は今から、力を覚醒させてあいつを倒す」


「今までと同じだ、己の正義のために、力を使うんだ」


「あの日、全ての始まりの日、お前がメアリーから託された力【ルクスの柱】を……!」


男はそう言い、俺の胸に手を当てた。


「ルクスの柱……それが俺の力の名前か……?」


 男は「あぁ」と答える。

 戦うのか……もう一度……!


「自分を信じろ、エース。お前は誰よりも自分の正義を貫いている」


 男はそう言い、俺の胸に再度拳を強く当てる。


「わかった……ただ、自発的な力の覚醒方法がわからねぇんだよ」


「いつもの頼むよ……」


俺はそう言い、男の胸に手を当てた。


「あぁ……」



『戦え!』



男の声が強く脳に響いた。

俺は光の柱に撃たれた。

体は宙に浮き、意識が強くなっていく。

戦える……俺なら!

俺の頭に天使の輪っかが浮かぶ。


「そうだ、何を弱音を吐いてるんだ……!」



 

「戦え!」




 俺は自分を鼓舞するようにそう叫んだ。

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