王女の賭け
私はアナスタシア・イザベル。
ここ、【イザベル王国】の国王の長女だ。
この国は先の戦い、
【東西大陸戦争】の時、戦勝国である東の大陸の総本部に大量の武器を提供したことで莫大な資金を得た。
今はその資金を軍備に投資し、国家としての力を強めている途中だ。
国王である父ももう70になる、もし父上が倒れたら長女である私が国王の座を継ぐことになる。
「その時のために、もっと精進しなくては……」
アナスタシアは城内の廊下で1人、ガッツを入れる。
そこを後ろを通りかかった1人の老人が顔を歪めながらアナスタシアを睨む。
後日、私は妹であるアナティアラの世話役である男に呼び出された。
「アナスタシア様、これはなんですかな?」
男はそう言い、1枚の紙を私に差し出す。
私はその紙を見て言葉を失う。
「国民の血税を不正に流用していたのですな? それも資料の改ざんまで……」
世話役の男は蔑むような目でこちらを見てくる。
「しかも、敗戦国である西の大陸の捕虜の子供たちの支援に税を使われるとは……」
男は私に近づき、耳元で囁く。
「もしこれが国王に、ましてや国民にバレたらどうなるか? お分かりですね?」
男は冷酷な口調でそう言った、 私は男に何が望みか聞いた。
すると男は、私の軍への加入だと……言う。
男が言うに近々我が東の大陸にて内乱が起こる、その戦争に兵士として出兵し、生きて帰ってきたら今回の件は外部には漏らさないと言う。
「民と王には、次期国王として軍に務め、その魂を鍛え上げたいとでも言ってください」
そう言い、男は私の胸をさする。
私は条件を飲むと言った、これしかない。これしか方法は……
私はその後、父上の元へと向かった。
父上に軍への参加を志願しする旨を話した、次期国王として民の気持ちを知るべきだと言って……
父上はいきなりの出来事に困惑した様子だったが、私の目を見て承認なさってくれた。
私の目に写っていたのは、民の気持ちを知りたいという思いではなく、
ただ税の不正な使用を知られたくないという思いだけだろうが……
もしバレれば、王室全体に影響を与える……それだけではない。
私が支援していた捕虜の子供たちにまで影響が及ぶかもしれない……
私は戦う。
己の意思で、必ずやこの賭けに勝ってみせる。
始まりました第4章です。
すいません、突然の展開で意味わかんないですよね笑
まぁ後々分かっていくと思いますので……




