彼の見た記憶
エースは楽園と呼ばれた街でメアリー達とともにピクニックをしていた。
ちなみにこれはメアリーの提案だ。
メアリーはどこか遠くを見ているようなエースに、
「エース、ルイスの記憶を見て……少し変わった?」
首を傾げてそう聞く。
エースはその問いに動揺つつ、「そうかもしれない」と返す。
「記憶の継承によって人格に影響が出ることはよくあることだ」
エースの横に座り込んでいるヘラクレスがそう言う。
ヘラクレス曰く、
魂に刻み込まれた記憶とは別の意思と呼ばれる物がその魂の継承者に強い影響を与えるそうだ。
「ルイスの記憶で見た……力の保有者とその者と同じ血を引く者が触れ合うことによる力の発動……」
「これは純血同士でないと不可能なのか?」
エースはヘラクレスにそう問いかける。
ヘラクレスは、今の研究ではそうなっていると言う。
もっとも、この世界に純血者なんてそうそう居ないから研究に時間が掛かっているのだと。
「だが、俺とメアリーが触れ合っても力は発動されないよな……」
エースは疑問に思いそうつぶやく。
「あぁ……おそらくある程度力の制御ができたら発動はしないんじゃないか?」
ヘラクレスの返答にエースは納得する。
一方その頃、謎の異形の者タナトスとディトルは獄中で暗躍していた。
再びエース達に対なる正義が牙を剥くのだろうか……物語は第四章へと続く。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
今回で3章は終わりとなります。
4章は5章以降の話に大きく関わる部分となります。
そのため、今までの話とは全くと言っていいほど関わりのないものとなってしまいます。
ですが、5章以降で大きな関わりを見せるのでお楽しみください。




