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ANIMA  作者: パンナコッタ
統べる者と王の資格
15/71

悪魔の記憶

時は現代へ…


「準備は出来たな…」


ガブリエルはエース達の顔を見てそう言う。


「今回の作戦において,我々はアナスタシアとの交渉は不可能であると考えている」


「アナスタシアははっきりと民を皆殺しにすると言った」


「我々は民を守るため,この命を捧げ戦わなくてはならない」


ガブリエルはそう言った。


今回のアナスタシア討伐作戦には


エース,ミカエル,ガブリエル,ヘラクレス,


その他に優秀な兵士20人の部隊で行われる。


この部隊編成は今現在の天界において最も有力であろう。


ガブリエルはエースに1本の剣を差し出した。


「これが太陽の血で作られた剣だ」


「エース,お前に託す」


ガブリエルはそう言う。


「あぁ」


エースは頷く。


「それでは,召喚門を目指そう」


ガブリエルのその言葉に皆が雄叫びを上げる。


空を飛び,召喚門を目指す途中,ガブリエルは


考え事をしていた。


「ウリエル…これがお前の望んだことなのか…」


「あの日,魔界戦争が起きた時お前は変わってしまった…」




時は数百年前,


天界と魔界の間で戦争が起きていた時。


天界軍が魔界に降り立った瞬間にサタン率いる魔界軍の襲撃が起こった。


サタンは一瞬にして天界軍をなぎ倒しまくる。


何度斬りかかってもその攻撃を防がれてしまう。


メアリーは傷を負った兵士の介抱をしていた。


「酷い傷…今手当をするから…」


メアリーは兵士の手当をしようとする。


しかし兵士は,


「触るな…悪魔,お前なんかに助けられてたまるか」


そう言ってメアリーの手を弾いた。


その兵士はその後,絶命した。


「どうして…どうして私は…」


兵士の死体を横目にメアリーが涙を流していると,


後ろから魔界軍の兵士が斬りかかろうとしてくる。


「いや!」


メアリーがそう叫んだ時,兵士の体が真っ二つに裂ける。


「大丈夫か?メアリー」


その声はウリエルのものだった。


「ありがとう…ウリエル」


「俺はサタンをやりに行く」


ウリエルはそう言い,空に飛んだ。


(メアリー…みんな俺が守ってやるからな…!)


ウリエルはサタンに連撃を入れるも隙をつかれ,


切り落とされてしまう。


「ウリエル!」


メアリーは叫ぶ。


すぐにガブリエルが応戦に出るもガブリエルもまた,


切り落とされてしまう。


「そんな…」


メアリーは大粒の涙を零す。




「もう…戦うのはやめてよ!」



そう叫んだ時,メアリーは光の柱に撃たれる。


「これは…いったい…」


メアリーの頭の中に誰かの声が流れる。


メアリーは無意識のうちに矢を引くポーズを取る。


すると光の弓が生まれる。


メアリーはサタンを射抜く。


その後,天界政府では会議が開かれた。


「今回のメアリーの活躍ぶりは凄まじかったな…」


ゼウスがそう言った。


ほかの幹部たちもそれに賛同する。


「次の神の座が怪しくなったな,ウリエル」


ゼウスは冗談交じりにそう言う。


幹部たちも笑いを上げる。


「そんな…」


ウリエルは言葉を詰まられる。


(なんなんだ…こいつら…何も分かっちゃいない)


笑いが止まらない中,ウリエルが口を開く。


「でも…でもこいつは,悪魔の血だ…」


場が静まりかえる。


「ウリエル,お前何言って…」


ガブリエルがウリエルを止めようとするがウリエルはメアリーを指さし,


「だっておかしいだろ!悪魔の血を引く者が神になるなんて!」


ウリエルは声を荒らげる。


「そう…かもしれんな」


ゼウスはそう言った。


「何言ってるんだ!こいつは何も罪を犯してないだろ!」


ガブリエルは必死にメアリーを擁護するが,


「生きてることが…罪なんじゃないのか…?」


ウリエルはそう言った。


「お前!」


ガブリエルはウリエルの胸ぐらを掴み殴りかかろうとするが,ガブリエルの拳をウリエルは止める。


「なんだ…悪魔の肩を持つのか」


ウリエルはそう言い,ゼウスたちの方を見る。


「貴方たちだって,メアリーが悪魔だということを忘れている…」


ウリエルはそう言った。



ウリエルはきっと悪魔に魂を売ったのだろう…


これがお前の望んた事なのか…ウリエル。


悪魔だのなんだのって…


それもこれも全部,あの男…アナスタシアの作った

天界禁忌法典のせいなのだろう…











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