体質
「………なるほどそう言うことなんですか」
「うむ、そうじゃよ」
いつの間にか意気投合して話し込んでいた。この二人の方が祖父と孫の関係じゃないかと思うほど仲が良くなっている。
話の内容は学園で行われる予定の授業についてだ。
学園では、一般科目に加えて様々な魔法授業を取り扱っていた。その授業の成績によっては今後の就職先にも関わってくるためだ。
「わたしはまだ就職とかのことについては考えていないんですけど、早く決めないといけませんかね?そういうのは?」
「問題ないじゃろすぐに決めなくとも、そういった生徒を今までいっぱい見て来たからのぅ」
「………あぁ、なるほど」
「自身に合った職を見つけるのが大事じゃが、先ずは学園の授業を受けてから決めるとよいぞ!」
「わかりました!」
私も将来の事は考えておかないといけない、なにせ卒業までいつの間にか時間が経ってしまうかもしれないのだ。
前世の記憶を持っている、私が言うのだ間違い無いだろう。
「玲夏さんは将来、何かやりたい事はないんですか?」
「やりたい事………」
「玲夏ちゃんなら問題ないじゃろう、魔法については優秀じゃからな」
いくつかの選択肢として無難なのはひとつだけあるが、確実とはいえなかった。
なにせ人気がある職場の為、現在でも取り合う状況になっているレベルだ。
卒業後は就職できずに諦める可能性を考慮した上で決めなければ困ってしまう未来がきてしまうのだ。
「………魔法省かな?魔法については自信があるし、森の中で魔物について研究してもいいかと思ってるから」
魔法省の仕事は多岐に渡るためにやりがいがあった。
新たな魔法を記録すること、魔物についての生態、それだけでなく未知の問題を解決する。これら全てまとめて魔法省は取り組んでいた。
「へ〜、無難ですね」
「無難じゃな」
「私も無難かと思います」
何故だろうか?違う言葉に聞こえてくるのは………
「それにしても玲夏さん………お腹、壊さないんですか?それだけ食べれば苦しいはずなんですが」
「………もぐもぐ、ゴクン………えっ?なにが?」
「い、いえ……何でもないです」
目の前にある豪華な料理に舌鼓を打っていると詩音が何かを言ってきた。
食べることに夢中になっていた為に話の内容にあまり耳を傾けていなかった。
「玲夏ちゃんは食べることが趣味の一つと言っておったし、無理もないのぅ………体質の影響もあるから食べるなとも言えんじゃろう」
「体質………ですか?それは一体………」
「小鳥遊様の体質は身体能力が高いことなんですよ。その影響により肉体を維持する為には大量の食べ物が必要なんですがね?」
「あー、なるほど………確かにそういう事なら納得ですね」
一人で納得している詩音だった。
十分とも言える食事をし大量に栄養を摂取しているにも関わらず、自分自身の身体には影響が全く出ていない、腕、脚、そして腰も細っそりとしていた。
初対面で見ればなんらかの拍子に怪我をしてしまうんじゃないかと思われている程だ。出来ればもう少し………
「羨ましいですね」
「私もそう思います」
「玲夏ちゃんはかわいいからのぅ〜無理もないわい………」
本当にそうだろうか?食べなければ生きていけないし、食べる量が多い為とにかく金がかかってしまい大変だ。
体型や能力だけ見れば羨ましいと思うのも仕方ないがただそれだけだ。
「後、身体能力だけでなく魔力量も多いんですよ。ちょっと嫉妬してしまいますよね?」
「分かります、それに胸も大きいですもんね!」
「それは余計です!」
「「フフフッ………」」
その後、私達は雑談に花を咲かせていった。もちろん余計とも言える話も混じっていたのも確かだ。




