種族
魔法省、世界中にある魔法を管理しては、記録を付ける為に組織された団体と言ってもいい程にまとまった者達である。
彼ら、魔法省の定めた序列には、一桁の数字に近づけば近づく程に総合的な判断がされると同時に実力が認められていた。
その結果的に、一桁に存在している実力者たちが英雄視され、憧れの的と化していたのだった。それだけ序列というものには力があると言う事だ。
目の前にいる祖父、学園長は世界で約六番目に最強と言われるだけの実力を持っていた。
「どうぞ、小鳥遊様。紅茶です………」
「すいません!セイラさん。いただきますね」
「どうぞ、あなたも」
「ありがとうございます」
もう一人この部屋にいた女性である彼女、セイラさんが空いている席へと腰を落ち着けた。
彼女の髪は澄んだ水に似た色合いの上にとんでもなく美人だ。だがなによりも、彼女の魅力を挙げるならば目の下にある薄っすらとした、鱗のようなあとだろう。
海人族に分類されている種族、蛇人族だ。
世界には様々な種族が存在しては、それぞれの国に五種族に振り分けられていた。
その国の代表者たちが王、種族の代表として国を動かしていた。
共人国………代表とされる種族は人族のみだが、様々な種族が入り乱れて生活していた。私や詩音もこの人族に分類されている。
海人国………龍人族、人魚族、そして蛇人族と言った種族が代表であり、海がある地方に住んでいる。水に適正があるため海中では有利な種族とされている。
森人国………森人族、闇森人族等の種族が代表であり、魔力量が多いため魔法が得意とされている。だが森人族には、弱点として筋力が圧倒的に足りておらず。闇森人族には、個別にデメリットが存在している。
鉱人国………鉱人族、小人族、巨人族などが種族の代表であり鉱人族は特徴として背丈が低く、手先が器用とされている。その上に宝石等の鉱物を収集しては愛でているとされる。
獣人国………他の国々の中では人口が少ないとされている国、だが種族自体の数が多く。狼、兎、狐、狸猫、熊と言った部分的、特徴を持った種族達が代表とされている国だ。主に肉体的に強く、そして戦闘のプロである。
他にもこの世界には遥か昔から魔物が存在し、その魔物からとれる肉は魔力が豊潤な程美味しいとされていた。また、魔物の心臓と言われている魔石が体内にあり私達はこれをもとに生活しているのだった。
「遅くなってしまったがそれじゃあ、あらためて自己紹介でもするかの?もう知っていると思うが儂は、レイナード・フォン・オーメンじゃ!よろしくのぅ!」
「わたしは、蓬莱セイラ。見て分かりますが蛇人族です………学園長の元でわたしは秘書を務めています、よろしくお願いしますね?」
自己紹介が終わった二人は彼女、詩音の方へと顔を向けた。
「私は雨宮詩音と言います。会えて光栄です!学園長!」
「ほほっ、儂も会えて嬉しいぞ二人とも、玲夏ちゃんは友達を連れて来た事がないからのぅ?」
「………へ〜、そうなんですか?」
「わたしも見た事はありませんね?」
三人は私に、友達がいないなんて話しをしている。心外だ私にも友達の一人や二人位いるのだ。
真相を確かめる為か詩音はこちらを向いてその言葉を放った。
「………玲夏さん。友人関係の人達はどのくらいいるんですか?教えて下さい」
「えっと………あ〜、その………いるよ、一人くらい………友達が!………」
「「「………」」」
よくよく考えてみると、複雑な関係を除けばそのような近しい人物に心辺りはなかった。
口ごもったそのせいか、三人は私を温かく見るような目でみていた。何故か私にはその視線はとても痛かった………