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爆縮と体温の機知(6)

全自動式勝手な自分

酌み交わした酒の匂いは

時間をかけて

擦り減ってしまった

記憶の記憶は無限に残らない

もう

どうでもいい場面しか

浮かんでこないのだ

新しく出来た楽しいことが

埋めてしまったなら

忘れるかもしれない


誰かは覚えているだろう

そんな他力的な置き方に

何処か

許せなさと寂しさを

感じてしまう

今を生きているのだから

それで良いなんて

投げて捨てているようなものじゃないか

写真を撮って残したって

それを見ながら

推測しているだけかもな

そうやって補完していく


絶対に大切なことは

忘れないなんて

本当は嘘なのだろう

触れ続けていなければ

分からなくなるんだ

記憶は直ぐに

ぼやけてしまうから

ずっと握っていなくちゃ

僕等の記憶は

勝手に作られてしまうのだ


あの時の記憶は

今は、もう

自分自身で書き換えていて

その時に感じた物とは

変わってしまっている

全ての初めては

覚えているように

思わされているのだ

自分自身に

使い易いからという理由で

勝手に書き直されている

辻褄が合うからという理由で

勝手に書き直されている


そこに芯はあるのか

剥ぎ取っていった先に

確かな自分があるのか

感じた新鮮さがあるのなら

そのまま欲しかった

残骸なんかじゃない

必ず綺麗だった

透明な心に

色が入る瞬間を

見たかった

見ているけれど

見たかった


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