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この世界の異種族婚

別の世界へ行くための許可証の手続きは済ませた理津子。

その一方で居間は多種族が当たり前のこの世界。

そんな世界での結婚事情についても気になったりしている。

同じ種族で結婚するのがやはり一番いいのだろうかとも。


「なんかりっちんがブライダルについて調べとったよ」


「あいつ、自分がするわけでもないものとかにも興味を示すよな」


「この世界がやっぱり珍しいんだろうね」


そんな話をしているとさっき作ったゼリーを持って戻ってくる。


ついでに簡単な資料も持っているようだが。


「りっちんさ、この世界に骨を埋める気とかなの」


「別にそんなつもりはないよ、これはただこの世界の結婚事情が気になっただけ」


「まあ今は異種族婚もごく自然な事だからな、時代は変わったって事だよ」


「前会った魔族のおじいさんもそんな事言ってたよね」


「実際機界人のロボットとかでも子供産める時代だからね」


セルベーラのその話も時代の進歩を感じさせる話でもある。

今のこの世界ではロボットでも子供を産めるという話らしい。


なので機界人との結婚はニッチでもなんでもないのだとか。


「まーそれでも寿命とかの問題はあるけどね」


「確かに種族によって寿命の長さは違うんだっけ」


「だから交流が始まった初期の頃はそういう問題で反対された事も多かったらしいな」


「偏見もあったけど、それを分かってたから反対されたっていうのは言ってたもんね」


「でもそれでも結婚する種族が増えてるのは恋愛の自由化でもあるよね」


恋愛の自由化、それはこの世界において価値観も変わったという事なのだろう。

そして同時にそんな交流が始まった黎明期頃の世代が交代しているというのもある。


世代交代によって現代の価値観も変わっているのがこの世界なのだ。


「寿命の問題はどうしても仕方ないけどね、ただそれでも愛を選ぶのさ、熱いよね」


「そうだね、そういう価値観がきちんと根付いているのは凄いかも」


「偏見を抱えてた親世代も大体の種族は世代交代してるのもあるだろうからな」


「そっか、若い世代が今の主力の世代だから価値観もそれに合わせてるのか」


「国がそれを悪い事だとしない事も大きいよね、どの種族でも」


どの種族でも今では世界の行き来や恋愛については認めているのが大きい。

それもあり寿命を利用した資産相続詐欺もたまにあるとか。


凄い話だとエルフと結婚した結果何代もかけて家を乗っ取られた話まであるらしい。


「異種族婚もいい事ばかりじゃないのはあるよね」


「そりゃ全てが上手くいくなんて思わないけどね」


「交流が本格化したのはここ約100年ぐらいだけど、その前からもあったとは聞くしな」


「ふーん、草の根交流みたいな事はあったんだね」


「凄い話だと何代もかけて家を乗っ取った悪いエルフもいたとか記録があるらしいね」


エルフの寿命はとても長い、それを利用した家の乗っ取り。

人間と結婚し子を成す事から乗っ取りは始まるのだという。


子孫が生まれたら、またさらに子孫を残すを繰り返す事で家の権利を掌握していくという。


「エルフの家乗っ取り事件はなかなかに策士だなって思う案件だよね」


「確かエルフって長命なんだよね?」


「ああ、だから従者として家に仕える立場を利用して乗っ取るんだ」


「つまり従者なのに子供を生んで、エルフは死なないからそのまま少しずつ、か」


「うん、主人の子供とも性行為して子供作って寿命で死んだらまたの繰り返し」


別に殺人をしたりする事は一切ないままの乗っ取り。

長命を利用し結婚はせずに子孫にも仕えていく。


その結果相手との契約を重ねそのまま家の権利を少しずつ握っていったらしい。


「そういう事件もあったぐらいだから犯罪歴とかそういう人間関係も調べられるのよね」


「犯罪歴はなくても殺人や詐欺も一切せずに家を乗っ取るって凄い話だよね」


「まさに長命のエルフだから出来る犯罪なんだと子供ながらに感心したもんだぞ」


「異種族婚はごく当たり前になったけど、そういう事件もあったって事かぁ」


「そういう経歴が一切なくても出来ちゃうやばい事って事だからね」


この世界において異種族婚はごく当たり前になっている。

だがそれと同時に自分の種族の特徴を活かした犯罪もある。


長命なエルフが長命を利用して家を乗っ取った話はまさに現代のお伽噺である。


「異種族婚も価値観の変化だけど、愛はそこにありますかって事さね」


「凄く分かる話だと思った」


「そういう事件が過去にあったわけだしな」


「凄い話だよねって思うよね、本当に」


異種族婚のメリットとデメリット。

それは異種族である事を利用して行われたりもする。


エルフの家乗っ取り事件はまさに現代のお伽噺である。


長命を利用した犯罪、それは理津子にはない発想だとも思った。

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