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別の世界に行ってみたい

こっちの世界も春になり始めた季節の変わり目。

そんな中理津子は他種族の世界にも興味を示している様子。

別の世界に行くには国から許可証を発行してもらう必要がある。

それについても調べているようで。


「りっちんなんか別の世界について調べとったよ」


「こっちでもそういう世界に行くのは珍しい話でもないぞ」


「だよね、私も機界から人界に来たんだし」


そんな理津子が資料をプリントして持ってくる。


一応話を聞く事にした。


「りっちん、異世界とかに興味があるんかね」


「うん、行くのは出来るんだよね?」


「国に許可証を発行してもらえば自由に行けるぞ」


「その許可証ってどこで発行してもらうの」


「基本的には自治体の役所とかだよ、ネットでも申請は出来たと思うよ」


どうやらネットでもその申請は出来るとの事。

ならばとあとで申請する事にした。


ロザリオもそれについて聞いてみる事に。


「りっちんは異世界とか行ってみたいの?」


「あたしからしたらここですでに異世界だけど、一応ね」


「どこの世界に行ってみたいとかあるのか」


「そうだなぁ、興味があるのは空界とか霊界なんかかな」


「なるほど、神秘的なイメージとかなのかな」


ちなみに許可証があればそれ一つで全ての世界へのフリーパスらしい。

ただし犯罪歴や機界人のロボットなどは違法改造歴があると渡航禁止になるとか。


そういった経歴や人間関係を全て洗った上で認められれば発行されるとのことだ。


「あたしも仕事で異世界に行った事もあったっけねぇ、懐かしい話さね」


「でもせっかく異世界に来てるからには異世界の異世界っていうのも楽しそうだし」


「お前、普通にこっちの世界に馴染んでるよな」


「異世界って言うからもっとおっかないかと思ってたけど、そんな事もないよね」


「それは世界によるんじゃないかな」


理津子も異世界というのはもっとおっかない場所だと思っていた様子。

ただこの世界が比較的優しい世界だっただけかもしれない。


異世界というのは一つではないというのはこの世界に来て分かった事でもある。


「なんにせよ経験しとくっていうのはいい事だと思うぜぇ」


「そうだね、まさかこんな経験をしてるなんて自慢になりそう」


「お前の世界だとこういう経験自体が創作の世界の話なんだろ」


「まあそうなんだよね、本当に異世界に行くなんてあるんだなって思った」


「リツコって割と細かい事とか気にしないタイプでしょ」


実際理津子もこの世界に普通に順応している。

それは環境こそ違うものの、自分の世界の常識が多少なりとも通じるからだろう。


それはこの世界でやっていくには充分すぎるという事でもある。


「なんにしても行きたいなら行ってきていいよ、あたしは留守番しとくから」


「アノットはそればかりだね」


「まあいいだろ、僕はついていってやる、一応呼んだ責任もあるからな」


「おや、少年は一応責任は感じてるんだね」


「若いけど責任感はあるよね、ロザリオって」


なんにせよその許可証については申請してみる事に決めた。

経歴や人間関係もきっちりと書かないといけないので書く事は多いのだが。


ただ理津子にはそういう後ろめたい事は何一つないのも事実だが。


「でも異世界ってのもいいぜぇ、珍しい食文化とかあるしね」


「食文化か、確かにそういうのは興味あるかも」


「お前は料理とか食べ物の事ばかりだな」


「こっちに来る前も他の県とか外国の郷土料理を作った事もあるんだけどね」


「郷土料理かぁ、そういうのも確かにいいかも、機界だとそういうのはないけど」


機界の場合文化的にも郷土料理のようなものは珍しいという。

それは種族的な問題でもあり、人の考え方の違いでもあるらしい。


なので機界人は食べ物の好き嫌いが少ない種族でもあるという事らしい。


「なんにせよいろいろ知りたいなら他の世界にも行ってくるのはいいと思うよ」


「そう言ってくれるなら許可証の申請出してみよう」


「その時は僕もついていってやる、僕はもうあるからな」


「うん、頼むね、少年」


「私はアノットと留守番してるから」


とりあえず許可証の申請は出す事は決定済みだ。

受理されてから発行までは一ヶ月ぐらいかかるとのこと。


それまでは気長に待つ事にする。


「どこに行くかは今のうちに決めとくていいよ」


「うん、そうする」


「どこでもついていってやるからな」


「勉強にもなると思うしね」


そんなわけでそのあとすぐに許可証の申請を出した理津子。

受理されるまで一週間程度、そこから発行されるまで一ヶ月程度かかる。


受理されるのに必要な要件は満たしていると思う。


期待と不安を胸に申請は送信された。

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