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メッセージアプリ的なもの

こっちの世界の携帯も使い慣れた様子の理津子。

とはいえこっちではガラケーがスマホの上位互換である。

そして機能も通信に特化していて、ごちゃごちゃしていない。

そうしたものはガラパゴスで育った理津子には新鮮で慣れないようでもある。


「そういやりっちんもこっちのケータイ使いこなしてるよね」


「あいつの世界だといろんな機能がついてたらしいからな」


「そんなに機能つけたら個人情報とか漏れそうだよね」


ロザリオ達も連絡用としてガラケーを所有している。


まあこちらでは機能はそんなに多くないので、ガラケーではなくただの携帯電話だが。


「お、ホットビスケットじゃん、すっかり上手くなりおって」


「うん、まあきっちり計量すればあたしでもなんとかなるもんだね」


「お菓子ぐらいは買ってもいいんだぞ」


「練習も兼ねてるだけだからね」


「とりあえず食べようよ」


とりあえず作ってきたホットビスケットをいただく。

メープルシロップはこっちにはないので、似たものを買っている。


ハニーシロップというはちみつを滑らかにしたようなものだ。


「そういやりっちんの世界だと携帯って機能ごちゃごちゃしてたんでしょ」


「うん、こっちだとメッセージアプリとか通話アプリみたいなのが少ないから」


「アプリってそんなものいらないだろ?通話とメールで足りると思うぞ」


「あたしの国だと自然災害が多くて、基地局が結構死ぬからそういうのがあるんだよ」


「つまり通話やメールが使えなくなるからそういうシステムがあるんだ」


理津子の国の事情とも言える通話やメッセージのアプリ。

それは自然災害で基地局が死ぬ事による繋がらなくなるという事態。


だから作られたのがそういった通話やメールとは別の通信手段なのだ。


「要するに自然災害で繋がらなくなるからそういうもんがあるってか」


「うん、まあ国産のものが少ないからあたしは使うのに踏み切れなかったけど」


「そういうのもやっぱり自分の国の人が作ったものの方が安全なのか?」


「安全というか、個人情報を扱う事にもなるから、ある程度の信用が求められるから」


「つまり個人情報を漏らさないとか集めないみたいな事にもなってくるんだ」


理津子が言うのは外国産でもいいが、ある程度の信用が欲しいということ。

そのアプリを作った国の事も知っているから使うのに踏み切れなかったらしい。


なので大学でも周囲が使っているものとは別のものを入れていたようだ。


「にしてもメッセージアプリにそんな理由があったんね、りっちんの国は」


「うん、あたしも入れてたけど、周囲にあたしと同じのを使ってた人は少なかったけど」


「こっちだと機界の技術だから、基地局も相当な災害でもない限り耐えるからな」


「だから通話やメールで足りるんだ」


「機界の通信技術は凄いからね」


こっちの世界では災害でも基地局が駄目になる事はまずない。

それもありそういったアプリ的なものはあるにはあるが、使う人は少ない。


ついでに機能も必要最低限になっているので、使える機種も少ないのだ。


「まーこっちだと機能が多い携帯ってリスクを金で買うようなもんだしね」


「考え方の違いだよね、あたしの国だとほとんどはスマホで完結しちゃってたし」


「そもそもそういうのをするならパソコンでいいしな、携帯でやる理由もないぞ」


「あたしの世界というか国とは考え方がそもそも違うなぁ」


「リツコの世界のそれだとリスク高すぎでしょ」


リスクの高さに関しては理津子も分かってはいる。

実際大学で個人情報のそれを全部スマホ依存でやらかした生徒がいた。


その生徒の顛末は噂で聞いた範囲では入れていたアカウントなども全部死んだらしい。


「まーりっちんの世界だと理由はあるんだろうけど、リスク高すぎよね」


「それは分かってるんだけどね、実際それでアカウントとか全部死んだ子がいたし」


「パスワードの再発行ぐらいは出来るだろ」


「クラウドに預けてなくてそこから発掘不可になってアカウント全部死亡だって」


「リツコの世界って何気に怖いシステムだね」


それもあるからなのか機能が必要最低限のこっちの携帯はリスクは割と少ない。

ノーリスクでは当然ないのだが、そこは通信特化の強さとも言える。


そういうのはパソコンでやるものという感覚もこっちでは強いからなのもある。


「はぁ、美味かったぜぇ」


「うん、次は何を作ろうかな」


「携帯事情ってのも世界や国によるんだな」


「発掘不可になってそのままアカウント全部死亡とか怖いね」


携帯事情はこっちの世界と理津子の世界では当然違う。

こっちではそもそもアプリを入れるという発想自体が希薄なのだ。


それもあり機能が多い携帯はリスクを金で買うようなものとアノットは言う。


事情は世界でも国でも変われば変わるという事なのだろう。

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