表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/342

年末大掃除

こっちの世界もすっかり年末ムードに突入した。

クリスマスはないが年末年始は理津子の世界と大きく変わらない様子。

とりあえず大掃除はさっさと終わらせようと気合を入れる。

広い屋敷だが使っている場所はそこまで多くないのである。


「少年よ、その魔道書は大切なもんなんかね」


「当たり前だろ、僕の研究の大切な記録だぞ」


「そういえば自分で魔法の開発とかしてたよね」


そんな掃除も午前から始めて今は午後である。


昼食も済ませた上で正午になっても掃除は続いていた。


「使ってる部屋は大体終わったんでね」


「お疲れ様、休憩にカレーせんべい作ったんだけど食べる」


「またそんな汚れそうなものを」


「七割ぐらいは終わってるからこれぐらいならすぐに片付くよ」


「夕方までには終わらせたいけど、休憩も大切だしね」


とりあえず理津子の作ったカレーせんべいで休憩である。

飲み物は熱々の緑茶だ。


なんかジジ臭いとかは言ってはいけない。


「はぁ、温かい茶はこの季節は癒やされるねぇ」


「港町で海風も吹いてくるからね」


「とはいえこの国は比較的暖かい方なんだがな」


「確かにね、あたしの国だと冬の寒さも暖かい時も寒い時もあるし」


「リツコの国って寒暖差が激しかったりするの」


そんな話をしている中ロザリオの持っている魔道書に目が行く。

それはロザリオの研究成果であり貴重な記録だ。


理津子やアノットもその本がある本棚だけは触らないようにしている。


「そういえば紫音は出てきたりすんのかね」


「彼女ならさっきまで話してたよ」


「あいつ夜枕元に出たりするんだよな、夜行性なのか?」


「うーん、幽霊だから夜の方が活発になるんじゃない?地下が気に入ってるし」


「暗いところが好きとかなのかな?」


紫音はロザリオが言うには夜の方が元気なのだとか。

幽霊という事もあり夜の方が活発になるのだろうか。


その事もあって理津子も紫音に夜食などを用意してから寝るらしい。


「まあ彼女も幽霊だしねぇ、暗いところの方が好きなんでね?」


「幽霊ってそんなものなのかな?あたしの世界だと確かに夜に出るイメージだけど」


「まあいいさ、さっさと食べて掃除を再開するぞ」


「うん、キッチンは掃除してもすぐに使うからさっさと終わらせないと」


「キッチンって掃除するのは大切だけど、どうせすぐに使うもんね」


そのままカレーせんべいを平らげ掃除を再開する。

とはいえ使っている部屋は大体は終わらせてある。


使ってない部屋も掃除するかは考えるのだが。


「そういやさ、使ってない部屋も掃除した方がいいんかね?」


「それはあたしも思ったんだけど、物置になってる部屋とかあるからね」


「そうだな、そっちは明日から順次見ていってくれ」


「分かった、去年も見たけど残したものとかも確認しなきゃだしね」


「ロザリオの親の持ち物とかも眠ってそうだもんね」


使ってない部屋は基本的に物置として使われている。

普段着ない服や使わないものなんかはそこにおいてある。


虫よけの防虫剤なんかも置いているものの、こまめに確認はしている。


「でも使ってない部屋においてあるものって少年の両親のものとかでしょ」


「そうなんだよね、だから簡単に処分するとも言えないし」


「そこは僕が見て決める、去年もそうしただろ」


「そうだね、よほど大切なものとかは流石に勝手に捨てたらマズいし」


「大切なものとかあるかもだしね」


そっちについては明日から改めて手を付ける。

今日は使っている部屋を優先的に終わらせていく。


そこだけならある程度は楽に終わるので。


「そうだ、今夜はデリバリーでも取らね?」


「それもいいかな、キッチンの掃除をしたから少し置きたいし」


「ならピザがいい、あれなら安くて腹も膨れるからな」


「こっちの世界はピザも安いよね、あたしの国のデリバリーピザ高いもんなぁ」


「ならピザにしようよ、サイドメニューもたくさん頼もうね」


そんなこんなで今夜は宅配ピザにする事に。

この世界では宅配ピザも安いものが多い。


チーズの関税が安いのと具がたくさん乗っているわけでもないからではあるが。


「さて、掃除を再開するよ」


「うん、夜までには終わらせるからね」


「任せておけ」


「気合い入れるよー」


そんなこんなで掃除は夜には終わった様子。

使っていない部屋は明日改めて手を付ける。


その日の夜はデリバリーピザで夜を過ごした。


値段の違いは世界や国の違いでもある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ