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甘いさつまいも

ないなら作ればいいという発想に至った理津子。

以前話していた花壇やペットの事も考えつつ今日も何かを作っている。

そんな今日は暇を持て余したのか、サインが遊びに来ていた。

それもあり一緒にくつろぐ事に。


「すみません、突然で」


「気にしなくていいよ」


「どうせ暇を持て余してたからな」


そんな話をしていると理津子が美味しそうなさつまいもを持ってくる。


どうやらふかし芋のようだ。


「おー、美味そうな芋じゃん」


「うん、ふかし芋にしてみたんだけど」


「さつまいもか、これぐらいならいいかな」


「さつまいもは腹持ちがいいのもあるから少しにしておかないとね」


「ではいただきましょうか」


そんなふかし芋を美味しそうに頬張る。

旬はこっちの世界では違うとはいえやはり美味しいものだ。


それはそうとサインが訪ねてきた理由も聞いてみる。


「そういやサインはなんで来たのさ、頼みごととか?」


「そうなの?」


「いえ、研究も一段落したので少し息抜きがしたくて」


「あ、そうなんだ、なら甘い紅茶とかがよかったかな」


「まあいいんじゃないのか、美味しそうに食べてくれれば」


どうやら研究が落ち着いたので落ち着きたくて来たらしい。

確かにここなら美味しいものもあるので間違いはない。


しかし機界人の新たなエネルギーを開発しているその頭脳は大したものだ。


「しっかしさつまいもってこんな美味しくなるもんなの?」


「別に特別な事はしてないんだけど、あたしの世界だともっと甘いのもあるし」


「お前の世界はなんでも甘いんだな、野菜でも果物でも」


「農家なんかがそういう努力をしてるところは多いからね」


「甘い野菜や果物ですか?」


その話にサインが食いついてきた。

どうやら興味を示してしまったらしい。


少しだけ話してもいいかなとは思った。


「実際甘い野菜とか果物ってどんなもんなのさ」


「うーん、果物みたいに甘いトマトとかそういうのは普通に流通してるね」


「果物みたいに甘いトマトって、それ凄くないか」


「こっちでも美味しい野菜とか果物は多いんだけど、甘さは全然違うから」


「つまり美味しいのはともかくとして、甘さが全然違う、という事ですか」


実際理津子の世界では野菜も果物も甘いものが多い。

それは農家などの生産者の努力によるものでもある。


こっちの世界の野菜や果物も美味しいのだが、そこがまず違うらしい。


「あたしは農業には詳しくないけど、甘くするって実際どうやるのさ」


「品種改良は言うまでもないとして、水とか土も徹底的に管理するよ」


「そこからなのか、そりゃ努力の結晶だな」


「実際新品種は普通に出てくるからね、大粒の苺とかも珍しくないし」


「水や土から徹底的に管理をする、農家というのは大変なんですね」


こっちの世界でも他の世界の技術が入った事でそういうのも変わったのはある。

実際それらの技術で人界でも農業などは大きく影響されている。


しかしそれでも理津子の世界にはそれらとは異なる技術などもあるようで。


「実際さ、りっちんはこっちの世界の技術とかどう思ってんのさ」


「うーん、あたしの世界にはないものばかりで正直凄いと思ってるよ」


「でもお前の世界にも凄い技術はあるんだろ」


「うん、あたしの世界にはあるけどこっちにはないものもいくつか見てる」


「世界が変われば文化や技術も変わるという事ですか」


こっちの世界の技術や文化は凄いものだと素直に認める。

それでも理津子の世界にあるものでこちらにはないものもある。


食べ物に関する考え方の違いなどは異世界だと感じる事も多いらしい。


「そういやりっちんってやっぱり食べ物関係で何かと驚いてる?」


「うん、でも似てるものも多いから大体はそのまま出来てるかな」


「主に食べ物の旬が違うっていうのは今でもやるよな」


「そうなんだよね、このさつまいももこっちだと旬は冬らしいし」


「なんにしてもリツコさんの世界の食べ物の事も少しは分かった気がします」


そんな話をしながらふかし芋を綺麗に平らげる。

サインは夕方には帰るので少し屋敷を見せて欲しいそうな。


サイン自身異世界人の理津子に興味はあるようではある。


「飲み物持ってくるけど、ミルクティーでいい」


「構わんぜぇ」


「同じく」


「同じく構いません」


こっちの世界も割と平和な世界ではある。

他国では争いなどもあるようだが、この国は平和だ。


それは政治が上手く行っているという事なのだろう。


国による情勢の違いはこっちでも当然あるという事ではある。

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