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犬と猫は駄目

こっちの世界の夏は土地柄雨が多く、晴れた日にまとめて済ませている理津子。

そんな中ペットショップのチラシが挟まっているのを見つける。

とはいえこの国にはペットに関する法律もあるとの事。

それもあってペットに対する責任は理津子の世界とは違うようで。


「少年、ペットショップのチラシなんか見てんだ」


「ああ、挟まってたから目が行っただけだよ」


「ロザリオって犬派っぽい性格してるよね」


そこに洗濯物を干し終えた理津子が戻ってくる。


理津子もそのチラシは気になっていたようで。


「ねえりっちん、りっちんはペットとか飼ってたりした?」


「そのチラシか、あたし猫アレルギーだし犬はトラウマがあるから」


「猫アレルギーは毛とかが駄目なやつだっけか?犬のトラウマってなんだよ」


「昔お父さんの知り合いの家に行った時に追いかけ回されてそれから犬は駄目なの」


「なんか大変なんだね」


理津子曰く猫アレルギーと犬に対してトラウマがあり昔はペットは飼っていなかったとか。

ただ近年はペットを飼っていたそうで、うさぎを飼っていたらしい。


ネザーランドドワーフという種類のうさぎで名前はさわらという名前だったらしい。


「猫アレルギーで犬は駄目だけど他の動物はどうなんよ」


「うさぎは飼ってたよ、ネザーランドドワーフでさわらって名前だった」


「うさぎに魚の名前をつけるな、お前は」


「でもあたしが都会に出る一ヶ月前に死んじゃったけどね」


「そうなんだ、でも意外と長生きしたのかな」


さわらは理津子が都会に出る一ヶ月前に亡くなったという。

理津子が言うにはそれでも4年ぐらい生きたそうで、大往生らしい。


うさぎの平均寿命は1~2年らしいので、約二倍は生きたそうだ。


「でもうさぎに魚の名前をつける辺りりっちんの性格が分かるよね」


「うさぎの平均寿命は1~2年だからまさか4年も生きるとは思わなかったけど」


「でも動物って思わぬ長生きする事ってあるぞ、10年以上生きてる犬とかいるし」


「そうだね、まあ犬だと10歳で人間で言う老人だから」


「だとしたら4年も生きたリツコの家のさわらは長生きしたよね」


なおペットというわけではないが、生き物の飼育とかはした事はあるそうな。

親の勧められて都会に出る前は農業高校に通っていた事もあったという。


高校時代の一年は地元の県立だったが親に勧められて二年から農業高校に転校したとか。


「にしてもりっちんって食べ物に感謝とかしてる辺り親の教育の賜物よね」


「あー、あたし農業高校の畜産科に通ってた事があるから」


「…お前、そんな経験の持ち主だったのか」


「うん、だから自分達で飼育した豚とかを食肉加工した経験とかあるよ」


「リツコって食べ物の事になると際限なくって感じするよね」


農業高校の畜産科に通っていた経験があるという理津子。

それもあってか動物の飼育は出来るし、解体して食肉加工なんかも出来るという。


動物が駄目なのではなく猫アレルギーで犬にトラウマがあるだけだと本人は言う。


「りっちんってどんだけって感じのする経歴の持ち主でビビるわ」


「お父さんが料理をするならそういうものを経験しておくといいって言ったから」


「まあ確かに自分で飼育した動物を肉に加工する経験はなかなか出来ないよな」


「うん、でも農業高校だと悲しむとかそういうのは一切なくて躊躇いなく肉にしてたよ」


「愛着とかあるものだと思ってた」


理津子曰く畜産もだが農業や海洋に関しても資料を取り寄せて勉強したらしい。

なので畑も耕せるし、魚などに関してもある程度の知識があるとか。


とはいえそっちにはそれなりに優秀だが一般的な勉学は赤点ギリギリらしい。


「親に勧められたとはいえ料理に関しての貪欲さがパないね、りっちん」


「お父さんもそういうのは経験してるらしいよ、料理人なら経験して損はないって」


「そういえばリツコって意外と腕力とか体力があると思ってたけど」


「農業高校の経験もあるからね、重いものを持つぐらいならなんてことはないかな」


「それだけ料理が好きなんだね、リツコは」


いつのまにか話が理津子の経験の話になっていた。

ただ理津子が猫と犬が駄目という事は伝わった様子。


それにこの国の法律もありペットは責任を持てないなら飼えないという事もある。


「まーこの国はペットを飼うなら死ぬまで世話するのが条件だしね」


「責任を持てないなら飼うなっていうのが国で決められてるんだね」


「ああ、外来種の問題とかもあるから死ぬまで世話する事を誓約書に書かされる」


「そういう事が決められてるのはこっちの世界は凄いって思うよ」


「飼い主の責任が求められるもんね、この話は」


そんなこの国のペット事情。

死ぬまで世話を出来るという事を誓約書に書かないとペットは飼えない。


それは飼い主の責任を国の法律で明確化しているという事でもある。


「でも犬と猫以外なら考えてあげてもいいよ、すぐには決められないけど」


「なら何か考えておこうぜぇ」


「そうだな、犬と猫以外でな」


「リツコの事もあるからね」


理津子の思わぬ過去の話を聞いた一同。

料理人として経験しておいて損はないという経験。


とりあえず犬と猫以外でペットを考える事に。


責任は飼い主にある、ペットとはそういうものである。

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