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庭の花壇

雨が多い夏の季節の晴れた日。

晴れているうちに庭の手入れをする事にした。

そんな中、庭で荒れている花壇を見つける。

一応手入れはしていたが、今になって気づいたようだ。


「うーん、どうしたものかな」


「どったの?りっちん」


「ん?こんな花壇あったんだって思ってさ」


それは庭の片隅にあった小さな花壇。


すっかり荒れているため、とりあえず枯れているものを除去する事に。


「どうした?」


「ん?ねえ、少年、この花壇なんなの?」


「これか、母さんが花を育ててたんだけど、僕はそういうのさっぱりで放置してたんだ」


「なるほど、とりあえず綺麗にしようか、二人も手伝って」


「へーい」


とりあえずその小さな花壇を綺麗にする事に。

屋敷の中に戻り道具を取ってきてからその花壇の掃除を始める。


この花壇はロザリオの母親が使っていたものだというが。


「ねえ、少年、お母さんってどんな人だったの」


「母さん?うーん、淑やかなタイプなんだけど、どこか大胆な感じの人だったよ」


「ふーん、なんか意外な感じ」


「少年って意外と親の血筋って感じなんかね」


「そこはあたしとそんな変わらないのかもね」


そんな話をしつつ花壇を綺麗にする。

それからは花壇を見て少し考える。


今は雨も多いので、何か植えるにしてもいいものかと思う。


「今は雨も多いし、何か植えるにしてもあとの方がいいかな」


「別に僕はそれはどうでも…」


「とりあえず明日にでも花屋に行って聞いてくるよ」


「りっちんって花とかは詳しくないんかね」


「花はそんな詳しくないなぁ、名前がある程度分かる程度だよ」


理津子は花などには詳しくない様子。

そういう事は専門家に聞くのが一番か。


要するに餅は餅屋という事である。


「ん?うわっ!?なに!?」


「人が死んどるんかね」


「うーん、まさか花壇に死体…」


「違うぞ、こいつは機界人だ、たぶんエネルギー切れでここに倒れてるんだ」


「なんだ、驚かせないでよ、心臓に悪いなぁ」


花壇に倒れていたのは機界人の様子。

恐らくエネルギー切れという事のようだ。


花壇の手入れは終わったので、倒れていた彼女を屋敷に運び込む。


「動きそうにないね」


「とりあえずサインに連絡するか」


「それがよさそうだね」


「にしても機界人って何度見ても美男美女だよねぇ、被造物って感じよ」


「それがロボットとかアンドロイドだよね、人工物だから見た目もそう出来るっていう」


とりあえずサインに連絡を入れる。

今は少し忙しいので、すぐには行けないと言われた。


なのでしばらく彼女を屋敷に置いていてくれとの事だ。


「とりあえず花壇の事は明日として、この機界人はどうしようか」


「ベッドにでも寝かせておく?」


「エネルギー切れだとしてもそのまま放置しても平気なものなのかな」


「僕が知る限りではエネルギー切れでも死んだわけじゃないから、平気だと思う」


「分かった、ならとりあえず空き部屋のベッドに横にしておくね」


機界人、要するにロボットやアンドロイドはエネルギー切れでも死んだわけではない。

人間で言うところの空腹状態のようなものなのだとか。


なのでそのままにしても特に問題はないそうな。


「それにしてもロボットやアンドロイドか、あたしの世界だと何かとあったな」


「りっちんの世界にもそういうのがあるの?」


「うーん、考え方ってやつ?この世界だと機界人は人として扱われてるし」


「つまり人として扱うか、それともモノとして扱うか、っていう事か」


「そう、あたしの国だとパートナーって考えで外国だと道具って感じだったな」


この世界では機界人はロボットでもアンドロイドでも人として扱われる。

それは様々な世界と交流を持ち、互いにそれを学ぶ世界だからこそなのだろう。


ロボットやアンドロイドは人なのか、それともモノなのか、それは国の価値観なのか。


「なんにしてもロボットやアンドロイドは人かモノか、それは難しい問題だよね」


「この世界だと機界人は被造物だろうと人として扱われるからな」


「それがその世界としての常識、なんだよね」


「そうさね、まあ機械は道具かパートナーか、それは正しいと思うぜ」


「国が変われば考え方も変わる、この世界の凄さを改めて感じるよ」


とりあえず花屋は明日にして花壇に植えられそうな花も調べてみる。

規模はそんなに大きくないので、数は植えられそうにない。


花には詳しくない理津子もとりあえずは図鑑でも見る事に。


「夕食のリクエストがあったら決めておいてね」


「はいよー」


「あまり没頭するなよ」


花壇に植えられそうな花。

生い茂っていたものは結構あったのでそれも思い出す。


何を植えるかはその時に決めればいい。


ロザリオの母親の花壇はせっかくなので使わせてもらう事にした。

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