こっちも夏になる
こっちの世界の事もしっかり勉強する理津子。
そんなここ最近はこっちの世界も夏になってきた様子。
自分の世界ではすっかり夏なんだなと思う。
夏になったので夏の準備とかも必要と感じる。
「りっちん何してんの」
「なんか夏になったから夏の事もいろいろしてるらしい」
「エアコンもすっかり稼働してるし、料理も夏っぽくなってるよね」
料理も冷たいものが増え始めている様子。
その一方で冷たいお菓子なんかも作っているようで。
「なんか甘い匂いがする」
「お待たせ、水ようかん作ってみたんだけど」
「お前、ようかんなんか作れるのか」
「和菓子はお母さん仕込みで得意だよ、洋菓子は今は勉強中」
「これは美味しそうな冷たく冷えた水ようかんだね、早く食べようよ」
理津子はお菓子作りは和菓子は得意だ、それは母親が趣味で作っていたかららしい。
その一方で洋菓子は今は勉強中、元々クッキーとビスケットぐらいだった。
そんな理津子はようかんやまんじゅうぐらいなら軽く作れるらしい。
「りっちん、あたしに洋菓子の作り方聞いてるけど、これで苦手とか嘘っしょ」
「本当に洋菓子は苦手なんだって、クッキーとビスケットぐらいしか作れなかったの」
「でもこのようかん美味しいな、和菓子が得意なのは意外な気がするけど」
「和菓子はお母さんが得意なんだよ、それでそれを見てるうちに覚えて」
「この水ようかん、甘いのはもちろんなんだけどツルッとイケるね」
人には誰しも得意不得意があるのは当然の事。
そんな理津子も和菓子は作れるが洋菓子は苦手というのも意外に見られている。
ちなみに夏の準備は他にもしているらしい。
「そういえば夏になるし泳ぎに行ったりせんの?あたしはゴロゴロしてるけど」
「そうだねぇ、ここは港町だけど、近くに泳げる場所とかあるの?」
「一応ビーチぐらいはあるけど、観光地ってわけでもないからな」
「ふーん、つまり人が集まるような場所ではないって事か」
「でも泳ぎに行ったりするぐらいはいいんだよね」
ここは港町なので海があるのは当たり前の土地だ。
ビーチ自体はあるが、観光地などではないため明確な目的のある人しか来ない。
要するにサーファーやダイバーには人気の土地といった感じらしい。
「別に行きたきゃ行けばええんでない?あたしとりっちんの水着で少年が目覚めるかも」
「あたしはそんな際どい水着とか着ないからね?」
「そうなのか?期待してたわけじゃないけど、なんか意外だな」
「一応これでも腰はそんなに細くないんだから」
「そういえばリツコってウエストいくつなの」
理津子の自己申告ではあるが、平均値より2センチ細いという。
明確な数値は言わない辺り、恐らく身長などから算出される平均値と思われる。
アノットから見ても身長はそこそこあるとの事なので、60は越えているそうな。
「りっちん、あたしから見たら少し太めだよね?」
「だと思う、アノットは結構腰が細く見えるし」
「だとしたら別に気にする事でもないだろ?」
「女の子には何かとあるんだからね、少年?」
「人間は何かと大変なんだね」
なんにせよアノットが細いのか、理津子が普通なだけなのか。
近くにビーチはあるものの、海水浴場ではないので使うだけなら好きにしていいとか。
それについても少し考えておく事にした。
「まあ行きたきゃ行けばええやん、あたしは家でゴロゴロしてるからさ」
「アノットが水着でビーチとかイメージ出来ないもんね」
「それは分かる、寧ろビーチでもパラソルの下で甘いもの貪ってそうだ」
「とりあえず夏になったって事だし、注文ぐらいは聞くからね」
「分かった、何かあったら言うから」
夏の食事はどうするかという事にもなる。
港町という環境なので、食品の扱いも内地とは変わってくる。
それに加え早めに消費してしまわないといけなくもなる。
「なんにしても夏は食材の扱いも気をつけなきゃね」
「痛むの早いしね、食中毒とかは勘弁願いたいし」
「生物とかはきちんと扱えよ」
「私は平気だけど、人間はそういうのがあるもんね」
とりあえず夏の事に関しては順次対応していく。
食材の扱いや、保存などについても。
最新の冷蔵庫を買っておいて正解だったという事でもある。
夏は何かと大変な季節になりそうだ。




