いろいろお買い物
初日の夜はなんとか越した翌朝。
とりあえずは朝食を作り、今日するべき事を確認する。
それは家の家具や電化製品の買い替え。
そういった家の中の一新である。
「ご飯出来たよ」
「ふぁ、まだ朝早いのによくやるな」
「これぐらい当然です」
そんな朝ご飯を食べつつ予定を確認する。
ロザリオはまだ眠そうだ。
「まずは電化製品の買い替え、あと家具も出来るだけ一新、そんなところかな」
「そんな事しなくてもいいのに」
「この家のものが全体的に古いんだから、必要だよ」
「よく分からないけど、必要なら金は好きに使っていいよ」
お金は幸い好きに使える。
ロザリオのそんな計らいもあり、なるべくいいものを買い揃えようと考える。
とりあえず朝食をサクッと食べて、出かける準備だ。
「さて、それじゃ行ってくるからね、お昼は冷蔵庫にサンドイッチがあるから」
「分かった、行ってらっしゃい」
「よっし、気合い入れて選びますか」
そんな感じで商店街へと繰り出す。
まずは電気屋へと向かう。
「そういえばこの街っていろんな種族がいるね、昨日から気づいてはいたけど」
「そういう世界なのかな、興味深いや」
「えーっと、すみませーん」
「はい、何をお求めですか」
「とりあえず…」
店員に必要なものを片っ端から伝える。
その上で店のフロアを駆け回り、必要なものをどんどん注文していく。
流石に持ち帰るのが無理なものもあるため、そこは配送サービスを頼る事に。
そうしてサービスを利用してどんどん配送を頼んでいく。
お金は好きに使える事もあり、少し多めに持ってきている。
そうして電気屋で必要なものは一通り頼み終えたため、次は家具屋だ。
その足で家具屋に向かい家具の一新をする事に。
「こっちもなかなかいいものが揃ってるね、これは買う価値がありそう」
「まずはベッドと、あとは棚とかもだよね」
「とにかく買える限り全部だね、すみませーん」
「はい!なんでしょう!」
「えっと…」
そうしてこっちでも必要なものを片っ端から伝えていく。
その上でこっちでもフロアを駆け回り、どんどんそれを注文していく。
買う際には注文書に書かなくてはならないものの、最低限の文字は覚えている。
寝る前にそれだけでも覚えたのだ。
そうしてここでも必要なものは全て注文を完了する。
あとは後日配送されてくるため、それを家具屋や電気屋に配置してもらうだけだ。
「とりあえずこんなもの…あー、そうだ、リフォームか」
「そっちも頼んでおかなくちゃね、どこにあるだろ」
「とりあえず聞いてみよう」
近くの人にその場所を聞いてリフォーム業者の店に向かう。
そこで家のリフォームを依頼する事も出来た。
リフォームが始まるのは一週間後になった。
家具と電化製品はそれより早い事から、必要なのはキッチンである。
壁や床は汚れてこそいたものの、リフォームするまでもない。
とにかくキッチンが優先、理津子はそう考えていた。
「これで大体は終わったかな、せっかくだし少し贅沢しますか」
「どこか美味しそうなお店は…」
「お、ここにしようかな」
そうして商店街にある美味しそうなお店に入る。
ちなみにそのお店はどう見ても、定食屋である。
「えっと…すみませーん」
「はい、ご注文はお決まりですか」
「日替わり定食をお願いします」
「かしこまりました」
こっちの世界の食材は自分の世界とそこまでの差はない。
昨日の買い物でそれは実感した。
なので食べられるものは出てくるだろうと。
「お待たせしました、日替わり定食です」
「これなら食べられそうだね、まあ好き嫌いもそんなないし」
「いただきます」
ちなみに出てきたのはよく分からない魚のフライだった。
食感としては鮭フライみたいな味がした、タルタルソースもついていた。
まさか異世界でタルタルソースを食べる事になろうとは。
「んー、満足満足、お土産でも買って帰ろうかな」
そうして洋菓子店でエクレアを買ってそのまま帰宅した。
後日家具と電化製品が次々に運び込まれたという。
キッチンのリフォームも近々行われる。
それまではメイドとしていろいろ勉強である。