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増設しよう

こっちの世界もすっかり春模様になってきたいつもの日々。

そんな中理津子が呼んだと思われる業者がキッチンに入っていた。

何をしているのかと気になりつつ茶の間でそれの完了を待つ。

それで何を頼んだのかというと。


「お前、キッチンに何を増設する気なんだ」


「ピザ窯、別の日に他にも増設してもらおうかなって考えてる」


「りっちん、少年の屋敷をどんどん改造していくね」


そんな中キッチンではしっかりと締め切られた中での増設工事が続いている。


交代で出てきた業者の人にお茶を振る舞いつつ、それを見守る。


「でもピザ窯かぁ、りっちんピザとか焼けるの?」


「焼けるよ、家だと流石にピザ窯はなかったからオーブンだったけど」


「普通の家にはピザ窯なんてないからな」


「でもテレビとかで見るようなピザ窯で焼いたピザは美味しそうなんだよね」


「そりゃどんな料理も本格的なやつは美味しいでしょうよ」


ちなみに家にはピザ窯はないが、ピザ窯で焼いた経験はあるらしい。

料理が好きという事もあり、その辺は抜かりがない様子。


料理好きは完全に父親の影響である。


「あたしは自分の世界だと海外旅行とかした事ないからさ、憧れなんだよね」


「隣の芝生は青く見えるからねぇ」


「でも料理が好きなのはあって、よく外国の人が経営してるお店には行ってたよ」


「例えば?」


「インドカレー屋とかピザじゃなくてピッツァのお店とかそういうの」


理津子は料理好きが高じてなのか、外国の人が経営してる店によく行っていたらしい。

ちなみにインドカレー屋というが経営者はネパール人やパキスタン人だったりする。


他にも父親の影響もあってか海外の食材を扱う店も時間があると見に行っていたとか。


「でもそういうお店って意外と口に合わなかったりしない?」


「あたしは美味しいと思ったよ、インドカレー屋のチーズナンとラッシーは最高だし」


「カレーじゃないのかよ」


「カレーももちろん美味しいよ、ただ特にラッシーは本当に神の飲み物だよ、あれ」


「そんなに言うならあたしも飲みたーい、今度作ってよ」


理津子もそういうものが気に入るのはお約束なのか。

ちなみにナンは結構大きいが、理津子は余裕で完食していたらしい。


なおピザ窯が完成したらナンも焼けるようになると理津子は言っている。


「そういやナンとラッシーってなんなん?」


「ナンはカレーを食べる時に一緒に食べるパンみたいなやつだね、お店だと大きいよ」


「ならラッシーって?神の飲み物なんて言うぐらいなんだろ」


「ラッシーはヨーグルトドリンクだよ、冷たくして飲むと美味しいの」


「ほー、それならあたしも飲みたいから、ラッシーを要求する!」


理津子もナンとラッシーに関してはレシピは持っている。

店のものとはいかないものの、独自のブレンドのラッシーは作れる。


家でも好評だったし、都会に出てからもたまに自作していたのだ。


「増設工事は夕方には終わるかね」


「うん、少し高いけど信頼出来そうなところに頼んだから」


「溶接に使う場所も増設したよな、お前」


「お金はあるからね、少年のお父さんの遺産だけど」


「少年のお父さんってそんなに資産残してたんだ、どうやって儲けたやら」


ロザリオの父親の資産はロザリオ名義で相続されている。

どうやってこの大金を手にしたのかはロザリオもよく分かっていない。


ただ投資をしていたという事だけは分かっているようだが。


「ピザ窯の次は何を増設しようかな、考えておこう」


「りっちんが料理好きなのは分かるんだけど、大食いなのも凄いよね」


「インドカレー屋で無料サービスの巨大ナンも三枚ぐらいはイケるよ」


「お前、結構細いのにどこにそんな入ってるんだよ、不思議な体してるな」


「あたしの世界だと大食いの人って意外と細身の人が多いんだよ」


理津子の世界だと確かに大食いは細身の人が多い。

男女関係なく大食いの人は細い体に大量の食事を収めている。


テレビなどで見る大食いの人で大きな体の人の方が珍しいと思っている。


「工事が終わったら少しの期間キッチン使えないから、宅配で我慢してね」


「美味しいピザのためならえんやこらだから任せて」


「お前ら、それだけ食べてその細いスタイルはずるいぞ」


そんなわけで増設工事自体は日が落ちる頃には終わった。

キッチンが使えるようになったのは数日後であったが。


それからはピザ窯でピザやナンが焼けるようになった。


理津子もピザ窯を持つのは夢だったそうな。

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