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花粉症の季節

すっかりこっちの生活にも馴染んできている理津子。

それはそうとこっちでも春の例の症状はある様子。

やはり似ている世界という事なのだと感じているのもある。

辛い季節がやってきたという事なのである。


「くしゅん!」


「少年、ここ最近ティッシュの消費が凄いね」


「少年、完全に花粉症じゃないかね」


どうやらロザリオが花粉症の様子。


朝起きるとロザリオの部屋のゴミ箱がティッシュだらけなのも確認している。


「くしゅん!」


「大変だね、生姜湯でも作ってあげようか?」


「いや、平気…」


「でも鼻によさそうなもの何か必要なら作るぜ」


「大丈夫だから」


強がってはいるが、やはりきつそうにしている様子。

理津子も必要なら何か必要なら作るとは言っているが、強がっている様子。


そこは年頃の少年という事なのか。


「なら何か鼻の通りがよくなるものをくれ」


「鼻の通りがよくなるものねぇ」


「何かあるだろ」


「ならミントティーでも淹れてあげるから、少し待ってなさい」


「ああ」


そんなわけで簡単にミントティーを淹れてくる。

清涼感のあるものがこういう時にはいいものだ。


アノットは普段はお菓子とハーブティーらしいが。


「はい、ミントティー」


「ああ、すまない」


「にしてもこっちの世界にも花粉症ってあったんだね」


「きつい人は死活問題だからねぇ、花粉症は」


「あたしもそうなんだけど、こっちだとなんともないんだけど」


理津子も実は花粉症だという。

だがこっちでは発症する様子もなく平然としている。


それは世界の違いなのか、花粉に対する耐性なのか。


「リツコの世界の花粉ってなんなんだ」


「あたしの世界、というか国だね、そこの花粉はほとんどがスギ、あとヒノキかな」


「そんな植物はこの国にはないな」


「だとしたらりっちんが花粉症にならないのって世界の違いなんじゃね?」


「でも花粉は国に関係なく発症するし、植物も違うだろ」


ロザリオの言うように花粉症になる植物は種類も複数ある。

理津子の世界でも日本はほとんどがスギ花粉で、あとはヒノキなどがある。


その一方でヨーロッパなどはイネ科の植物、アメリカなんかはブタクサと言われていた。


「でもあたしも結構酷い花粉症なんだけど、こっちだとなんともないよ?」


「世界が変わると花粉症にならないのか?」


「少なくとも快適で嬉しいぐらいだし」


「むぅ、花粉にもいろいろあるんかねぇ」


「こっちに来る前は花粉症の季節はマスク必須なぐらいだったんだけど」


理津子もそういうのならきっとそうなのだろう。

こっちの世界だとなんともないという事は、花粉症は発症していないという事。


世界が変わると花粉症も落ち着くという事はあるのかもしれないが。


「不思議だとは思ってるんだけどね、でもこんな楽なら嬉しい限りだよ」


「花粉症の患者を前にして言う台詞か、それ」


「一応耳鼻科に行くのも手だけど、それは最終手段ね」


「耳鼻科に行くならいい医者紹介するぜぇ」


「少年の花粉症はなかなかに酷そうだけど」


とりあえずミントティーを飲んで落ち着く。

花粉症に悩まされるのは世界が変わっても同じという事なのか。


そんな事を考えつつロザリオの様子を見る。


「はぁ、少しは落ち着いた」


「ならよかった」


「この季節は本当に辛いんだよ、ティッシュが二箱ぐらいすぐに消えるし」


「花粉症ってなる人とならない人がいるからねぇ」


「鼻詰まりで眠れないのは辛い」


そんなアノットは平然としている。

花粉症にかかっている様子もないのは、元工作員という事なのか。


こういうところはちゃっかりしているものである。


「そういえばアノットは花粉症にならないんだな」


「元メイド隊だぜ?花粉症になるような奴には務まらんよ」


「確かに国の兵隊が花粉症になったら役に立たないもんな」


「そこは元特殊部隊の貫禄を感じるよね、アノットは」


「羨ましい限りだよ、本当に」


そんな花粉症に苦しむロザリオ。

とりあえず理津子も鼻通りがよくなりそうな飲み物を考える。


この季節の風物詩と言うべきなのか。


「とりあえずまたミントティーを頼む」


「うん、任せといて」


「アノットさん特製のハーブティーも淹れてやるぜぇ」


そんな花粉症はこちらの世界でも春頃に猛威を振るう。

理津子はこっちではなんともない様子。


花粉症に苦しめられる人は違う世界にもいるのかと。


やはり憎むべき花粉なのである。

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