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雪は珍しい

こっちの世界にもすっかり馴染んでいる様子の理津子。

そういえばこっちの世界でも今は冬である。

今住んでいるところは港町という事もあるのか、比較的温暖だ。

雪が降ったりはしないのかとも思っていた。


「ねえ、ここって雪が降ったりしないの?」


「雪?ここは国内だと南の方になるから、そんな降らないぞ」


「雪自体はめっちゃ寒くなると降ったりするよね」


ここは港町という事もあり、雪はそんなに降らないらしい。


土地的にも国内だと南の方という事もあるようで。


「そっか、雪は降りにくいんだ」


「雪に降って欲しいとかか?」


「そういうわけじゃないんだけどね」


「雪なんてロクでもないっしょ、寒い日は引きこもるのが大正義だぜ」


「アノットは寒くなくても引きこもるでしょ」


なんにしてもここは土地的な意味もあり雪は珍しいという。

確かに普段からそこまで寒くないというのは理津子も感じていた。


暖かいのはそれはそれでいいのだが。


「リツコは雪国の育ちとかなのか?」


「うーん、結構寒い土地ではあるけど雪国ってほどではないかな」


「なるへそ、だから雪が恋しいのか」


「まあそんなところかも」


「天気でも操れれば話は別だけどな、そんな高度な魔法は限られた奴しか使えないし」


一応天気を操るような魔法はあるという。

ただ非常に高度な魔法なので、限られた人しか使えないという。


せめて雨男的な人でも呼べば降るのでは?とアノットが冗談半分に言う。


「天気を操るなんて高度な魔法、雨男とかそういう人呼べば解決すんじゃね?」


「まさかねぇ、でもあたしの世界でそういう事が起きるってネタになる人はいたけど」


「天気を操るって事か?」


「操るというか、その人が国外に行くと国内が凄く寒くなって行った先が凄く暑くなる的な」


「その人魔法が使えたりとかはしないよね?」


流石に理津子の世界に魔法のような技術はない。

ただそれを実際に経験した上で、ネタにもされていた話。


なので太陽神と呼ばれたのは結構最近の話。


「でも人、それも一個人が移動しただけでそんな事が起きるのか?」


「その人が海外のスポーツの大会に行ったら、あたしの国に大寒波が来たんだよね」


「ネタにしては流石に出来すぎてね?」


「ついでにそのスポーツの大会は冬季大会なんだけど、雪が消えたよ」


「流石に創作話だと思いたい話だな、それ」


そのネタも流石に本人も複雑なのは言うまでもない。

ただ実際にあった事だからこそなんとも言えない気持ちになる。


あの冬季オリンピックはいろいろな奇跡を起こしてしまった話でもある。


「雪が降ったら外ではしゃぎたくなるんだけど、ここは雪は珍しいんだねぇ、残念」


「お前、たまに子供っぽくなるよな」


「年甲斐もなくはしゃぎたくなる事ってない?」


「あたしも分からんでもない」


「アノットは意外と分かってくれるんだ」


そういう年甲斐もなく子供っぽくなる事は誰にでもある。

理津子もアノットもそういう事はあるのだろう。


童心に帰る、人はそういう時があるものだ。


「雪が見たいなら雪国に観光に行く、んじゃつまらないよな」


「あたしの世界だと北国は雪祭りとかやってたけどね」


「雪祭りねぇ、雪国からしたら何が楽しいんじゃワレ、って気持ちだと思うよ」


「アノットの言いたい事はなんとなく分かるけど」


「でも雪国でも流石に夏になれば雪は解けるぞ?寧ろ避暑地の定番だからな、雪国は」


雪国は避暑地の定番、確かにそれは分からなくはない。

実際夏の雪国は暑さも程々に適度な涼しさがある。


金持ちや貴族は雪国に別荘を持っている事も珍しくないらしい。


「少年も雪国に別荘を持ってたりするの?」


「確か父さんは持ってたけど、亡くなってから放置してたから汚れてると思う」


「なるほど、でも避暑地の別荘か、夏になったら行ってみたいかも」


「暑いのは嫌だしねぇ」


「ビーチとかもあればなおよしかな」


そんな雪の話も盛り上がっていく。

ここは土地的にも雪は珍しい土地、そして雪国は避暑地の定番。


理津子もそんな避暑地の別荘に行ってみたくなっていた。


年甲斐もなく子供っぽくなるのは誰にでもあるのだろう。

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