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異世界の惣菜

こっちの世界の事はまだまだ勉強中の理津子。

そんな中家政婦として働きながらも料理の事については特に興味津々の様子。

買い物に出た際に興味深いものをまた見つけた様子。

今回はそれを大量に買い込んだようで。


「よいしょっと」


「以前は冷食だと思ったら今回は惣菜を大量に買い込んできたな」


「りっちん、相変わらず極端だねぇ」


どうやら今回は惣菜を大量に買い込んできた様子の理津子。


食に関してはとことん貪欲な様子。


「セルベーラはサインさんのところだっけ、先に食べてようか」


「はいよ、んじゃ飲み物でも用意するわ」


「さて、お皿に盛り付けなきゃ」


「こういうのはそのままでもいいんじゃないか」


「一応見栄えってやつだよ」


セルベーラはサインのところに行っているので、残しておいてあげる事に。

とりあえず先に買い込んできた惣菜を皿に盛り付ける。


似ているがどこか違うこちらの世界の惣菜はというと。


「そういえばイカフライとかタコゲソの唐揚げは見なかったんだけど」


「イカもタコもこっちじゃ海の悪魔だからな、物好きしか食わないぞ」


「そうなんだ、そこもなんか似てるかも」


「でもイカもタコも美味しいと思うぜぇ、あたしは好きだけどねぇ」


「アノットは甘いものの他にも好みとかあるんだね」


ロザリオが言うにはイカもタコも海の悪魔として言われているという。

なので食べるのはよほどの物好きか漁師ぐらいなものだという。


アノットは食べた事があるのか、イカもタコも好きなようだが。


「それにしても、これだけ買ってくるのはやめて欲しいんだが」


「いろいろ食べてみたくなるんだもん」


「りっちんはいいだろうけどさぁ」


「それに少年は成長期でしょ」


「それとこれとは別だろ」


なんにしても食べる事に。

天ぷらやらフライやらサラダ類なんかもある。


他にも炒め物や煮物なんかもあったりする。


「カキフライかぁ、昔ノロやらかしてからどうにも好きになれんのよね」


「こっちにもノロウイルスがあるんだ、でもノロはしっかり加熱すれば平気だよ」


「ウイルスは大体は熱するか冷ませば死ぬからな」


「カキのノロは生だとギャンブルなんだけどね、しっかり加熱すれば死滅するから」


「生ガキはおっかないぜよ、なんまんだ」


そう言いつつもカキフライをちゃっかり食べているアノット。

ロザリオは野菜の天ぷらに手を付けている。


惣菜を見ても世界の違いは感じ取れる。


「ねえ、ここは港町だから海鮮系が豊富なのは分かるけど、漁師とかいるんだよね」


「当たり前だろ、漁にはシーズンがあるから常に出てるわけでもないだけだ」


「それはそうなんだけどね、多種族な世界だから技術とかも気になってさ」


「それに関しちゃ条約があるからね、捕りすぎると免許剥奪されるんで上手くやってるよ」


「やっぱりそういうのがあるんだ、海洋資源の保護はきちんとされてるんだね」


そんな中理津子はクジラの唐揚げを食べていた。

理津子の世界にも鯨の肉はあるが、理津子はあまり食べた事はない。


ただ親の知り合いから鯨肉が送られてきた時は美味しそうに食べていたが。


「クジラってやっぱり美味しいね、たまにしか食べないけど」


「クジラは定期的に間引かないと海洋資源に関わるからね、海に面した国の宿命さね」


「やっぱりなんだね」


「海に面した国は定期的に調査捕鯨してるぞ、その際に捕獲したクジラが市場に並ぶんだ」


「へぇ、そういうだとしたらこの国でクジラが食べられるのも納得かも」


ちなみに理津子の世界とは違う一面は意外と少なく感じていた。

国によるとは言うが、森の国では鹿や熊も食べていた。


他にも馬を食べる国もあれば、羊の肉を食べる国もあるとか。


「こっちの世界は国独自の食文化とかあるんだね」


「国の産業になってたりもするからな、馬の肉とか羊の肉はそういった国の産業だぞ」


「食べ物自体はあたしの世界とはそこまで大きくは違わないのか」


「ただ生で魚を食べたりするのは珍しいね、生魚は漁師の特権なんて言うし」


「そういったものも食べてみたいな、調べてみようっと」


惣菜を食べつつこちらの世界の食文化についても学ぶ。

理津子の食への貪欲さは親譲りなのだろう。


こちらの世界は似ているようでどこかが違うが、大体は同じような感覚だ。


家政婦として召喚されたのに、仕事はきちんとしているからこその自由を得ているのかもしれない。

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