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お菓子も作る

いつもドカ盛り飯ばかり作る理津子。

そんな彼女もお菓子を作ったりする。

とはいえ洋菓子のようなきっちりとした計量は苦手らしい。

そこで作ってきたお菓子というのが。


「はい、出来たよ」


「これポテトチップスか」


「そう、せっかくじゃがいもがあったから」


作ってきたのはポテトチップス。


まさかの手作りポテトチップスのようだ。


「あれ?いい匂いがする」


「あ、セルベーラ、ポテトチップス作ったんだけど食べる?」


「こいつまた面白いもの作ってきたからな」


「どうする?」


「食べる!」


そんなわけで理津子の作ったポテトチップスをいただく事に。

ちなみに味付けは今回はシンプルに塩のみである。


他の味付けもそのうち試してみようとは思っているが。


「どうかな」


「意外と美味しいな、それにしてもこんなものまで作れたんだな」


「ケーキとかみたいなきっちりとした計量は苦手なんだよね」


「だからこういうお菓子になるんだ」


「そう、こういうのなら楽な方だしね」


理津子が言うにはお菓子は作れるものの、洋菓子のようなものは苦手らしい。

父親は料理人ではあるがパティシエではない。


そういったところも影響していると思われる。


「それにしてもお前にも苦手なものとかあったんだな」


「お父さんは料理人だけどパティシエではないからね」


「それで普通の料理は得意だけどお菓子はそうでもないんだ」


「うん、まあお母さんは和菓子なら作れるって言ってたけど」


「お前の家はなんで変にスペックが高いんだ」


理津子曰く母親は趣味で和菓子をたまに作っていたという。

家は和菓子屋などでは当然ないと言っていた。


あくまでも個人的な趣味の範囲であると。


「なんにしてもあたしは細かい計量とかは苦手なんだよね」


「それでポテトチップスか、でもこれだってそうでもないんじゃないのか」


「計量が必要なものに比べたら全然楽だからね」


「リツコがドカ盛り飯を作る理由が分かった気がする」


「そこは完全にお父さんの影響かなぁ」


ドカ盛り飯に関しては完全に父親の影響と認める。

大衆食堂で学生やサラリーマンなどを相手にしていた事もある。


その関係でたくさん食べる人向けの食事がすっかり染み付いたと。


「あとポテトチップスはお父さんがたまに作ってたのもあるから」


「それに影響されたって事か」


「あとお母さんに和菓子も教わったんだけど、そっちはどうにも上手く出来なかった」


「つまりリツコって目分量で調味料入れたりする人でしょ」


「そうだね、基本的には目分量かも」


素直に白状する理津子。

まさかの調味料は目分量という発言。


とはいえそれでも美味しく仕上がるし、使いすぎている様子もない。


「お前、目分量とか相当な自信がないと出来ないぞそれ」


「自信は多少はあるよ、お父さんに目分量で入れる際の心得とか教わってるから」


「もしかしてお父さんも?」


「お店で出す時は決まった量で作るけど、家で作る時は目分量だって言ってた」


「その割には健康そうなリツコを見ると、やっぱり料理人だって分かる話だな」


理津子はそんな家庭で育った割には健康そのものである。

そこはやはり父親の料理人としてのスキルが活きているのだろう。


母親がたまに作る和菓子も好んで食べていたとも理津子は言う。


「でも目分量って料理に慣れた人じゃなかったら絶対にやっちゃ駄目なやつだよね」


「それはあたしにも分かる、実際大学でそういう人の料理食べて凄い顔になった事はあるし」


「経験はあるんだな、リツコだからこその感覚っていうのか」


「お父さんもあれで結構いい加減な味覚してるんだけど、そこは分かるらしいし」


「元料理人を自称するのにいい加減な味覚なんだ」


理津子曰く父親は料理というのは調味料あってこそなのだと言っていたとか。

なぜ生野菜用のドレッシングの種類が多いか考えてみろと言ったのも印象に残っていた。


その言葉から理津子は素材の味信仰は完全に捨て去ったらしい。


「それ食べたら夕食のリクエストでも聞かせてね」


「分かった」


「リツコはリクエストにも応えてくれるからいいよね」


そんな理津子の意外な弱点。

細かい計量などが苦手な理由と影響を受けたもの。


なぜ生野菜用のドレッシングの種類は多いのか。


その答えが今の理津子の料理スタイルを作り上げたのだ。

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